1995 Fiscal Year Annual Research Report
国際化に対応する北海道畑作技術の研究開発と普及に関する経済分析
Project/Area Number |
07456098
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
土井 時久 北海道大学, 農学部, 教授 (60137388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 巧 北海道大学, 農学部, 助手 (40178413)
阿部 順一 釧路公立大学, 経済学部, 助教授 (90091545)
志賀 永一 北海道大学, 農学部, 助教授 (50235511)
長南 史男 北海道大学, 農学部, 助教授 (00113697)
黒川 功 北海道大学, 農学部, 教授 (90125310)
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Keywords | 花卉生産技術 / カ-ネーション / 集出荷方式 / マルチ栽培 / 馬鈴薯 / 甜菜直播 / 特許料 / 米の転作 |
Research Abstract |
畑作技術のうち近年北海道で生産の急増している花卉について重点的に調査した。北海道での花卉生産は輸送技術の進歩、保温施設のコスト低減、米の生産調整、畑作物価格支持水準の低下などの要因によって増加してきたが、1980年代以後の府県向け移出への転換以後は増加率が高くなっている。ただし、アルストロメリア、カ-ネーションに顕著な特許料支払い負担が大きく、最終的には種苗会社を通じてオランダなどの海外企業へ支払う部分が大きいことが問題である。我が国の農業技術は食料生産、とりわけ米に重点をおいて開発してきたために、花卉の技術では菊を除き欧米に依存する部分が大きい。 にも拘わらず、北海道では夏秋期に府県に比べて気候条件の有利性が輸送上の悪条件を克服して生産を増加させている。集集荷施設に対する補助制度も生産を助長している。生産者は生産が軌道に乗るまでは、農協や町村とは独立に自主的努力を続けるが、一定規模に達すると農協、町村がこれを援助し、やがて農協の事業に組み込む例が多い。選花の仕組みは、花卉生産の成長過程によって左右される。 北海道畑作技術は、国際化の進展に応じて輸入食料との競合を避ける方向を辿りつつある。馬鈴薯の加工原料向け、澱粉原料向けから食用への転換がその例である。十勝では、この傾向が早くから見られたが、網走でも近年は食用向け移出が増加しつつある。羊蹄山麓では8月以前の出荷による高価格での販売に積極的で、府県、特に長崎産馬鈴薯の出荷時期と競合する傾向をみせている。 このほか、甜菜の省力技術としての直播栽培技術の試験、高品質をねらう有機栽培の試みが野菜などで行われつつある。これらの問題は次年度に分析する予定である。
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