1995 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル伝達関与リン脂肪代謝酵素の分子多様性の遺伝子組織化学的解析
Project/Area Number |
07457001
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
近藤 尚武 東北大学, 医学部, 教授 (20004723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪上 洋行 東北大学, 医学部, 助手 (90261528)
後藤 薫 東北大学, 医学部, 助教授 (30234975)
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Keywords | 細胞内情報伝達 / ジアシルグリセロールキナーゼ / ホスファチジルイノシトールキナーゼ / cDNA クローニング / 脳 / 遺伝子発現局在 / ラット |
Research Abstract |
膜リン脂質代謝回転で重要なリピドキナーゼの遺伝子クローニングと一次構造決定そして酵素活性特性および細胞組織内発現局在を解明することが本研究の一次目的である。セカンドメッセンジャーとして衆知のジアシルグリセロール(DG)をリン酸化するDGキナーゼは、プロテインキナーゼCの活性抑制効果を持つと考えられるだけでなく、新たなセカンドメッセンジャーとなり得るホスファチジン酸(PA)を産生することから、細胞内情報伝達機構で重要な役を担っている。また、ホスファチジルイノシトール(PI)をリン酸化するPI4-キナーゼは、DG産生の二段階前の反応を司る酵素でその重要性は高い。DGキナーゼについては既に我々により発見された二つのアイソザイムがあるが、今回新たに分子量88kDa(type III)と104kDa(type IV)の二つのアイソザイムが同定された。DGキナーゼtype IIIは脳では小脳purkinje細胞に最も強く発現し、type IVは大脳、小脳や嗅球と比較的広範囲に発現しており、各々機能分化が強く示唆された。さらに後者の発現は培養細胞での強制発現により核に局在することが示され、核内情報伝達に特異的に関与することが示唆された。PI4-キナーゼとしては、分子量230kDaの従来type IIIとしてその存在が示唆されていた分子の一次構造が世界で初めて同定された。この発現は熟成期より胎生期の脳の灰白質でより強くかつ広範囲に認められ、ニューロンネットワークの形成熟成に関与することが示唆された。培養細胞での強制発現によれば、ゴルジ装置に濃縮して局在することが示され、ニューロンのシナプス小胞移動と開口放出を含んだ細胞内膜輸送に深く関与することが示唆された。これら二種類のリピドキナーゼの更なる分子多様性を解明するとともに、各々の分子の機能的役割を明らかにしていきつつある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.GoTo,M.FunayamaとH.Kondo: "Cloning and expression of a cytoskeleton-associated diacylglyceral kinase thet is dominantly expressed in cerebellum," Ploc.Natl.Acad.Sci.USA. 91. 13042-13046 (1994)
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[Publications] O.Tanaka,H.SakagamiとH.Kondo: "Localization of mRNAs of voltage-dependent Ca^<2+>-channels:four subtypes of α1-and β-subunits in developing and mature rat brain." Mol.Brain Res.30. 1-16 (1995)
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[Publications] H.Sakagami,Y.SawamuraとH.Kondo: "Synchronous patchy pattern of gene expression for adenylyl cyclase and phosphodiesterase but discrete expression for G-protein in developing rat striatum." Mol.Brain Res.33. 185-191 (1995)
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[Publications] Y.Ito,K.GotoとH.Kondo: "Localization of mRNA for phosphatidylinasitol 3-Kinase in brain of developing and mature rats." Mol.Brain Res.34. 149-153 (1995)
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[Publications] K.Nagata,H.Sakagani,H.KondoとY.Nozam: "Identification and localization of gene expression of a low Mi GTP-binding protein,ram p25 in pituitary gland" Biochem.Biophys.Res.Com.217. 1223-1230 (1995)
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[Publications] Y.Sawamura,H.Sakagami,H.Kondo: "Localization of mRNA for Ca^<2+>/calmodulin-dependent protein kinase I in the brain of developing and mature rats." Brain Res.706. 259-266 (1996)