1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
照井 哲 日本大学, 医学部, 講師 (00188690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原野 悟 日本大学, 医学部, 助手 (80256867)
武田 文 日本大学, 医学部, 助手 (80216902)
三宅 健夫 日本大学, 医学部, 講師 (30181994)
横山 英世 日本大学, 医学部, 助教授 (90120584)
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Keywords | 健康教育 / 自己検診 / 簡易医療機器 / 医療費用効果 / 高血圧 / 糖尿病 / SMBG / ライフスタイル |
Research Abstract |
本研究目的 生活習慣病対策の一環として、簡易医療機器を使用し自己測定を行わせることで、健康の意識レベルを向上させ1次2次予防に寄与し、さらに国民医療費の軽減に結び付くことを目的に本研究を行う。 対象・方法 対象は血圧自己測定に参加を希望した保健所等の85名(男性3名)と職域76名(女性4名)の合計161名である。また軽度糖尿病患者で食事と運動療法のみや少量の経口糖尿病剤服用者の計14名に対し血糖自己測定(self monitoring of blood glucose以下SMBG)をA企業の産業医の協力をもとに実施し10名より結果を得た。SMBG長期使用例の生体情報値の変化についてはデータの提供を得た。 結果・考察 自己血圧測定対象者の年齢構成は、40〜60歳代が中心をなしている。期間中の測定回数は、実際身近に測定機器があるとほとんどの者が週1回程度以上の割合で実施していた。血圧実測値の推移は、測定時の時間や環境に影響されるため一定の傾向は見られなかった。検診終了時の調査では、自己測定を実施したことにより、80.7%の者が体調に配慮するようにり、また75.2%の者が以前より健康に関する情報への関心度が増え、さらに45.3%の者が運動量が増加したと回答している。SMBGの今回の対象は、軽度のNIDDMに罹患していてインスリン非治療者の中で測定を希望した者である。保健婦が食事指導と運動指導のガイダンスを行った後、産業医が機器の使用方法を説明し3カ月間の設定で早朝空腹時血糖を測定回数を指定せず行わせた。SMBGは前述の自己血圧測定に比較して測定回数は顕著に少なかったが、HbA_1Cにおいては、10例中7例において改善が見られた。食事指導と運動指導のガイダンスの効果を含めたバイアスは有るが、SMBG開始前と終了時のアンケート調査の比較ではこの10例すべてにおいて、糖分や脂質の摂取に配慮し夜食や間食が減少したとの回答が得られている。さらに同レベルの糖尿病患者におけるSMBG長期実施者のデータにおいては、SMBGを実施して食事や運動等の日常生活に配慮することで、糖尿病のみならず肝機能や血中脂質にも良い影響を与えることが示された。 結語 簡易機器による自己検診は、生活習慣病において実施者の意識向上、生体情報値の改善、医療費削減に効果が有り、今後の普及が望まれる。
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Research Products
(1 results)