1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457113
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
照井 哲 日本大学, 医学部, 講師 (00188690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原野 悟 日本大学, 医学部, 助手 (80256867)
武田 文 日本大学, 医学部, 助手 (80216902)
三宅 健夫 日本大学, 医学部, 講師 (30181994)
横山 英世 日本大学, 医学部, 助教授 (90120584)
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Keywords | 健康教育 / 自己検診 / 簡易医療機器 / 医療費用効果 / 高血圧 / 糖尿病 / SMBG / ライフスタイル |
Research Abstract |
研究目的 児童・生徒の長期病欠者の最多理由は腎疾患である。検尿は年1回実施されているが、自他覚症状が乏しいこと等より継続的管理は難しい。一方自己検診に使用する尿試験紙は一般検査薬として入手が容易になった。そこで腎疾患の予防と健康教育を兼ねて、生徒とその保護者に自己検尿をアンケート調査とともに実施したので報告する。さらに学校検診と自己検診の費用効果についても述べる。 研究対象・方法 研究対象は千葉県K町の中学1年生である。学校医の協力のもとに平成7年より9年までの3年間にわたり自己検尿を施行した。始めに教育用ビデオを提示し、終了後に尿検査の意義と必要性を徹底した後、試験用尿にて実習を行った。さらに尿の簡便性や意識調査を実施し検討を加えた。 結果・考察 (1)3年間合計で生徒からは131、保護者からは123の回答を得た。自己検尿実習に対する生徒の回答では、検査の簡便性については良い結果を示したが、尿は汚いものとの意識があるため家族への実施率は低かった。この結果より事前の実習を行えば、中学1年において自己検尿の精度管理については問題が少ないことが示された。同時に血圧と血糖の自己測定を実施させたが、この授業に対する生徒の関心度は大変高かった。(2)保護者に対するアンケート結果では、学校での健康教育の必要性75.6%、逆に学校自己検尿がプライバシーにふれると思わない57.9%(思う18.4%)となり、試験尿を使う事でプライバシーの面も解決できる。(3)現在千葉県は小学生4.9万人、中学生2.6万人を数え、1〜2次検診に費やす単年度総費用は約2千万円である。2次検診陽性者一人当たりの費用は小学では72.8千円(185人)、中学では43.1千円(171人)であり新規陽性者は比較的少ない。よって健康教育を含めて継続管理には自己検尿が費用効果の面からも有効と考える。さらに今回使用した自己検診機器である、血圧計、血糖計、尿試験紙、歩数計、体温計の合計金額は約3.1万円であり、保険自費診療と通院等で費やす時間損失を考慮し両者を比較すると、約16.6回で費用は同等になり以後自己検診の方が安価になる。 結語 簡易医療機器による自己検診は健康教育面のみならず費用効果面でも有効で今後の普及が望まれる。
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Research Products
(1 results)