1995 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素および虚血時に活性化される冠血管弛緩因子(X因子)に関する研究
Project/Area Number |
07457167
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 隆之 名古屋大学, 医学部, 助教授 (10111840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村瀬 吉郎 名古屋大学, 医学部, 医員
成瀬 賢伸 名古屋大学, 医学部, 医員
篠田 政典 名古屋大学, 医学部, 医員
土岐 幸生 名古屋大学, 医学部, 助手 (20273229)
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Keywords | 低酸素 / 虚血 / 冠血管 / 血管弛緩因子 / X因子 / NO |
Research Abstract |
ラットの低圧(70mmHg)Langendorff灌流心標本を用い15分間のhypoxic coronary vasodilatation時のnitric oxide (NO),prostacyclin,adenosine,ATP sensitive K (K_<ATP>) channel開口、Ca^<2+> activated K (K_<Ca>)channel開口の関与を薬理学的に調べた。(1)10^<-4>MN^ω-nitro-L-arginine methyl ester (L-NAME)で制御される冠灌流量、即ちNOの関与する冠灌流量はnormoxia時には冠灌流量の約40%を占めるのに比べhypoxia時にはほぼ零に低下した。(2)10^<-5>M8-phenyltheophyllineで抑制される冠灌流量、即ちadenosineの関与する冠灌流は15分間のhypoxiaの中〜後期にかけて顕著に観察された。(3)2×10^<-6>Mのglibenclamideで抑制される冠灌流量、即ちK_<ATP> channel開口の関与する冠灌流量は条件で異なったが、8-phenyltheophylline,10^<-2>M tetraethylammonium,L-NAME存在下、つまりadenosine,K_<Ca> channel開口,NOを抑制した状態で明らかとなり、hypoxia早期の増加が観察された。(4)tetraethylammoniumで抑制される冠灌流量、即ちK_<Ca> channel開口の関与する冠灌流量は、reoxygenation時にはいずれの条件でも一過性の著名な増加が観察された。以上よりhypoxia時にはNO産生はほぼ零に抑制されること、そしてK_<ATP> channelの開口がhypoxia直後よりみられ、続いてadenosine産生が亢進して著名なhypoxic coronary vasodilatationが引き起こされることを明らかにした。一方reoxygenation時にはK_<Ca> channelが開口してdilatationが引き起こされていることが明らかとなった。低酸素下で血管拡張性に作用する上記以外の未知の因子をX因子と名付けた。
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Research Products
(1 results)