白金鉄磁石のクラウン・ブリッジへの応用に関する基礎的研究

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07457465
• Research Institution: TOHOKU UNIVERSITY
• Principal Investigator: 木村 幸平 東北大学, 歯学部, 教授 (40108551)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 毛取 達郎 東北大学, 歯学部, 助手 (50234646) ; 笠原 紳 東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70169407) ; 依田 正信 東北大学, 歯学部, 助教授 (70005073) ; 中山 孝文 (財)電気磁気材料研究所, 研究部, 主任研究員 (40164363) ; 奥野 攻 東北大学, 歯学部, 教授 (50014080)
• Keywords: 白金鉄磁石合金 / 歯科鋳造 / 磁気特性 / 吸引力 / 可撤性クラウン・ブリッジ

Research Abstract

白金鉄磁石合金鋳造体の吸収力について,臨床応用に関する詳細な検討を行うことを目的に,Fe-39.5Pt-0.75Nb(mole%)合金とFe-39.5Pt-0.65Nb-0.1Si(mole%)合金を用いて,円板状試料の他に,より臨床形態に近いクラウン状試料を作製し,それぞれの吸引力に及ぼす着磁方法の影響について調べた.また,クラウン状試料については,その内面の表面粗さと,金型との適合性についても調べた.得られた結果を下記に示す.
1.クラウン状試料内面の表面粗さは,今回検討した合金による差が小さく,歯科用金合金と比較すると,約3倍の値を示した.
2.クラウン状試料において,摩擦抵抗をできるだけ小さくして,磁力だけの値を得るため,埋没材の混液比を調整し,意図的に膨張量を大きくしたため,その適合は緩く,一般的な歯科用金パラ合金のfrictional fitの状態における適合精度と比較して大きな値を示した.
3.円板状試料の吸引力は,4極着磁した場合が最も高く,Fe-39.5Pt-0.75Nb(mole%)合金において,平均値で734gfという高い値が得られた.
4.クラウン状試料の吸引力は,歯冠軸方向に着磁した場合に最も高い値を示し,そのときの最大値は,Fe-39.5Pt-0.65Nb-0.1Si(mole%)合金で得られ720gfであり,平均値では536gfであった.この値は,補綴学的に十分臨床応用できるものであると考えられる.

Research Products

• [Publications] T.KANNO: "Application of Dental Casting Fe-Pt Magnet to Crowns and Bridges" Third Inteernational Congress on Dental Materials. 286- (1997)
• [Publications] 菅野太郎: "白金鉄系磁石合金鋳造体に及ぼすSiおよびNbの添加効果" 歯科材料・器械. 17-1. 54-61 (1998)
• [Publications] 菅野太郎: "白金鉄磁石合金の歯科鋳造による可撤式クラウン・ブリッジへの応用に関する基礎的検討" 日本補綴歯科学会雑誌. 42-2. (1998)