1997 Fiscal Year Annual Research Report
コレステロール代謝阻害剤ピリピロペンの薬化学的研究
Project/Area Number |
07457525
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Research Institution | The Kitasato Institute |
Principal Investigator |
大村 智 社団法人北里研究所, 生物機能研究所, 所長 (90050426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂塚 敏明 北里大学, 薬学部, 講師 (30226592)
小畠 りか 社団法人北里研究所, 生物機能研究所, 研究員 (20260078)
田畠 典子 社団法人北里研究所, 生物機能研究所, 研究員 (60260080)
供田 洋 社団法人北里研究所, 生物機能研究所, 副所長 (70164043)
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Keywords | コレステロール代謝阻害剤 / アシルCoAコレステロールアシル転移酵素 / ピリピロペン / 誘導体合成 / 構造活性相関 / ACAT / コレステリルエステル転送蛋白質 / CETP |
Research Abstract |
本研究期間中に合成した約300のピリピロペン誘導体のうちアシル-CoA:コレステロールアシル転移酵素(ACAT)阻害活性の上昇したPR-86は、ハムスターでの一回投与による腸からのコレステロールの吸収を阻害することを既に報告した。そこで、昨年度確立したラットを用いた連続投与による新しいin vivo系でさらにPR-27と-314を評価したが、3mg/kgの経口投与では明確なLDLコレステロール低下作用は見られず、さらに高濃度での試験の必要性が示唆された。 また、ピリピロペンの有するユニークな多環性の骨格について他の生物活性を調べた。まず、スポンジ由来のクロロプウペヘノンがピリピロペンと類似の三環性の部分骨格を有する化合物であるが、動脈硬化との関わりが指摘されているコレステリルエステル転送蛋白質(CETP)を阻害すると報告されている。そこで、ピリピロペン誘導体64種についてCETP阻害活性を測定した。その結果、5-デヒドロ-13-デオキシ、11-O-メシル誘導体が最も強い阻害活性を有しそのIC_<50>は6.0μMだった。構造と活性の相関はR4に見られ13-オキソ誘導体>5-デヒドロ-13-デオキシ誘導体>13-ヒドロキシ誘導体の順に強く13位にアシル基が導入された化合物は阻害活性が消失した。このようにピリピロペン誘導体について、CETP阻害活性とACAT阻害活性の間には全く相関がないことがわかった。また、ピリピロペンにはその活性は認められなかったが、その部分構造である三環性α-ピロン誘導体の中には、抗癌活性を示す化合物も存在することが明らかとなった。
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[Publications] Obata R.et al.: "ピリピロペン誘導体合成3.ピリジンピロン部の変換" J.Antibiot.50. 229-236 (1997)
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[Publications] Obata R.et al.: "αピロン環開裂とγアシレーション/環化による新しいピリピロペン誘導体" Chem.Lett.935-936 (1997)
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[Publications] Perchellet S.et al.: "新三環性αピロン誘導体の抗癌活性" Anticancer Res.17. 2427-2434 (1997)