1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457531
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中西 守 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (90090472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古野 忠秀 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (80254308)
鳥越 智香子 名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (70237163)
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Keywords | 免疫応答 / 画像化 / 共焦点レーザ顕微鏡 / カルシウムシグナル / アポトーシス / ヘルパーT細胞 / 抗原処理 / 脱顆粒反応 |
Research Abstract |
免疫系における特異的認識、細胞間相互作用、情報伝達とその制御を顕微光学技術を駆使して、全く新たな視点から追究した。まず、1個の免疫細胞でのミリ秒単位で起こる生化学反応を画像化する多波長励起共焦点レーザ顕微鏡システムを確立した。そして、ヘルパーT細胞と抗原提示細胞との細胞間相互作用を解析し、抗原提示細胞内での蛋白抗原の動態やT細胞活性化初期過程での細胞内情伝達機構を明らかにした。また、B細胞の抗原処理のプロセスには抗原特異的プロセスと抗原非特異的プロセスがあり、前者は後者より100倍以上も効率がよいことを明らかにした。その際、抗原特異的プロセスにはチロシンリン酸化反応が関与していることを示した。さらに、正負の免疫応答機構の解析を行った。まず、正の免疫応答に関しては、リンパ球の分化・増殖に伴う細胞内カルシウムイオン動態の解析を行った。その結果、リンパ球(B細胞、T細胞)の活性化に伴うセカンドメッセンジャーであるカルシウムイオンが細胞質だけでなく核内でも上昇することを示した。そして、カルシウムシグナルの伝達機構を解析し、核内で上昇するカルシウムイオンは細胞質から流入したものであり、核内のカルシュウムイオンの貯蔵部位から遊離したものではないことを明らかにした。負の免疫応答として、アポトーシスを起こすT細胞(S37)の細胞内カルシウムイオン濃度変化を追究した。その結果、アポトーシスを起こすT細胞の場合には、抗原刺激により初期のカルシウムイオン濃度の上昇だけでなく、刺激後3、4時間後のカルシウムイオン濃度の再上昇が重要な役割を果たしていることを明らかにした。最後に、好塩基球や肥満細胞の脱顆粒過程におけるCD63抗原の細胞内動態から単一細胞レベルでの脱顆粒反応を解析できることを明らかにした。その成果は即時型アレルギー反応の分子機構解明の大きな突破口となった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Y.Okamoto: "Confocal fluorescence microscopy for studying thapsigargininduced divalent cation entry into B cells" Biochem J.305. 1011-1015 (1995)
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[Publications] H Katayama: "Triggering of calcium signals in antigen-specific B cells on the supported lipid monolayers" Biochem.Biophys.Acta. 1266. 191-195 (1995)
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[Publications] M.Nakanishi: "Confocal fluorescence microscopy for studying signal transduction in mast cells and basophils" Zoological Studies. 34. 38-40 (1995)
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[Publications] C.Torigoe: "Quantitative and realtime correlation between receptor aggregation and intracellular calcium signal transduction" Immunol.Lett.(in press). (1996)
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[Publications] T.Furuno.: "Surface expression of CD63 antigen(AD1 antigen)in P815 mastocytoma cells by transfected IgE receptors" Biochim.Biophys.Res.Commun.(in press). (1996)
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[Publications] 中西 守: "リンパ球のCa^<2+>動態" 細胞工学. 15. 240-246 (1996)
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[Publications] 中西 守: "新タンパク質応用工学" フジ・テクノシステム, 950 (1996)
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[Publications] 中西 守: "新しい光学顕微鏡" 学際企画, 199 (1995)