1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07458065
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
板橋 秀一 筑波大学, 電子・情報工学系, 教授 (70151454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 晶一 山形大学, 工学部, 教授 (20250946)
山本 幹雄 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (40210562)
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Keywords | 音声言語 / 基本周波数 / 主成分分析 / F0軌跡の傾斜 / 判別分析 |
Research Abstract |
韻律情報と音韻情報の両方を用いて、方言音声の分類を試みた。音声資料としては、日本語の8方言区画を考慮して「天気予報」のデータベースから8地点を選んだ。 この音声データは主要都市の小学生から高年層までの男女が1分程度のニュース調の天気予報文章を読み上げたデータベースで、現在8地点が利用できる。録音環境はよいが、すべての話者が同じ原稿を読み上げた音声のため、文法や語彙の面では方言らしさが出ていない。各地点高年層2名、壮年層2名の話者を分析に用いた。音声データは標本化周波数16kHz、量子化精度16bit、利用したデータは全体で約1時間、1話者当たり50秒、男女話者計64名である。 韻律特徴抽出には、直線と指数関数を組み合せた指数モデルを用いた。音韻特徴としては、母音の第1ホルマント(F_1)から第4ホルマント(F_4)を抽出した。 日本語の5母音それぞれについて、方言間のホルマントの違いを見た。音声は、各方言で男性話者3名、一人2文で15秒程度の発話である。全ての方言を各母音ごとに、F_1-F_2,F_2-F_3,F_3-F_4のグラフに表し、比較した。各母音について3方言は一個所に多く集まっているが、他は分散している。10個のグラフでどれだけ方言が分類できるかを調べたところ8方言中の2方言の全28の組合せのうち、18の組合せで75%以上の確率で分類可能であるという結果が得られた。
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Research Products
(22 results)
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[Publications] 板橋 秀一・山本 幹雄・竹沢 寿幸・小林 哲則: "日本音響学会新聞記事読み上げ音声コーパスの構築" 日本音響学会講演論文集. 2-Q-36. 187-188 (1997)
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[Publications] S.Itahashi, N.Ueda, M.Yamamoto: "Several Measures for Selecting Suitable Speech Corpora." Proc.Eurospeech '97,. Vol.4. 1751-1754 (1997)
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[Publications] 板橋 秀一: "音声コーパス" 情報処理. 38, 11. 1012-1018 (1997)
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[Publications] 板橋 秀一: "COCOSDA:音声データベース及び音声入出力システム評価の国際協調委員会について" 日本音響学会誌. 53, 12. 949-954 (1997)
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[Publications] 加藤 佳司・岡登 洋平・山本 幹雄・板橋 秀一: "音声対話システムにおけるシステムとユーザ間の相互作用と応答戦略" 日本音響学会春季研究発表会発表予定. 3-6-17. 115-116 (1998)
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[Publications] 岡登 洋平・山本 幹雄・板橋 秀一: "新聞記事の言語情報を用いた対話音声のキーワード抽出" 日本音響学会春季研究発表会発表予定. 3-6-18. 117-118 (1998)
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[Publications] 吉田 悦子・横山 晶一: "主題・焦点を用いた文脈解析の一手法" 音声研究会 信学技報. NLC97-29. 1-8 (1997)
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[Publications] 于 素秋・横山 晶一・西原 典孝: "文成分と意味素性を用いた中国語における代名詞照応現象の検討" 音声研究会 信学技報. NLC97-30. 9-16 (1997)
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[Publications] 横山 晶一・我妻 信博: "機械処理のための方言結合価辞書の作成 -置賜方言を対象に-" 言語処理学会第4回年次大会. B3-8. (1998)
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[Publications] 板橋 秀一: "音声データベースの展望" 音声学会会報. 第211号. 56-62 (1996)
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[Publications] 笹沼 満・板橋 秀一: "基本周波数による多言語音声の分類" 音声研究会 信学技報. SP96-57. 13-20 (1996)
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[Publications] 笹沼 満・板橋 秀一: "韻律情報を用いた多言語音声の分類" 日本音響学会講演論文集. 3-6-14. 115-116 (1997)
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[Publications] 上田 直子・板橋 秀一: "音声対話コーパスの比較・選択の一方法" 日本音響学会講演論文集. 2-Q-8. 155-156 (1997)
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[Publications] 山本 幹雄: "曖昧観測シンボル列からのHMMパラメータ推定法とその形態素解析への応用" 情報処理学会研究報告. NL113-2. 7-12 (1996)
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[Publications] 横山 晶一・佐久間: "意味素性を用いた複合名詞の生成による分析" 計量国語学. 20-7. 304-314 (1996)
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[Publications] 杜 亮・板橋 秀一: "音声の基本周波数による言語識別" 日本音響学会講演論文集. 2-10-6. 95-96 (1995)
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[Publications] 板橋 秀一: "音声の研究と音声データベース" 第9回日本音声学会全国大会予稿集 特別講演. 5-10 (1995)
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[Publications] S.Itahashi, Lian Du: "Language Identification Based on Speech Fundamental Frequency" Proc.Eurospeech '95,Madrid. Vol.2. 1359-1362 (1995)
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[Publications] 笹沼 満・板橋 秀一: "音声の基本周波数を用いた日本語方言音声の分類" 日本音響学会 平成8年度春季研究発表会. 1-P-27. 215-216 (1996)
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[Publications] 伊藤 敏彦・肥田野 勝・山本 幹雄・中川 聖一: "ロバストな対話システム構築に関する一考察" 情報処理学会 音声言語情報処理研究会. 95-SLP-7. 139-144 (1995)
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[Publications] 横山 晶一・安野 克彦: "方言の機械処理に関する予備的考察 -庄内方言を対象として-" 電子情報通信学会 信学技報. NLC95-45. 39-46 (1995)
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[Publications] 板橋 秀一・牧野 正三・堀口 純子・壇辻 正剛: "日本語音声[1]「諸方言のアクセントとイントネーション」 第5章「音声データベースを作る」" 三省堂, 26 (1997)