Research Abstract |
1.雲仙普賢岳の現地において,火砕流の観測資料を収集し,火砕流の規模(噴出物の体積),走行距離,速度,破壊力などの間の相関を調べた. 2.危険でない事を確認したうえで,現地において既往の火砕流堆積物の調査を行った.火山活動の低下にともない,水無川,中尾川両地域において砂防工事が大々的に進行中であり,掘削による新しい路頭の生成が期待されるので,堆積物の層序,平面的分布,粒度組成,侵食の程度などに注目して調査した. 3.火砕流堆積物の鉱物学的,化学的分析を行った.粒子の形態,内部構造に着目して,火口からの距離,規模,層位との関係を調べた. 4.一部他火山の火砕流の例と比較検討を行った.外国の諸火山の事例を,文献調査を通じて系統的に総括し,日本の諸例についても文献調査を行った. 5.1991年6月3日の火砕流災害についての詳細な調査を行い,特に雲仙地域の防災担当者の聞き取り調査を行い,死傷者の救援活動に関して調査した.島原温泉病院,長崎大学付属病院をはじめ関係した医療機関の医師に面接し,被災者の状況について調査した.たまたま来日したケンブリッジ大学のBaxter教授と同行して,医療救援活動に関しての聴き取りを行った.その結果をBaxter教授の資料と直接比較を行った. 当時サージの地域内に居て,火傷を負いながら生存している人々の聞き取り調査を行った.とくに物理的な破壊力,時間経過に重点を置いて問接した.又島原警察署に保管してある,当時も救急活動,検視記録等を閲覧し調査した.
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