1996 Fiscal Year Annual Research Report
光量差分計測システムによる神経奇形マウス脳のグルタミン酸受容隊体機能発現機構の解析
Project/Area Number |
07458198
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 芳郎 北海道大学, 医学部, 教授 (20051584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 量一 北海道大学, 医学部, 助手 (10223091)
永島 雅文 北海道大学, 医学部, 講師 (40241319)
渡邊 雅彦 北海道大学, 医学部, 助教授 (70210945)
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Keywords | グルタミン酸受容体 / 神経奇形マウス / パッチクランプ法 / リーラーマウス / 小脳 / プルキンエ細胞 |
Research Abstract |
(1)グルタミン酸受容体の抗体の作成: 遺伝子増殖法と大腸菌発現系をもちいてNMDA型サブユニットを精製作成した。海馬において免疫組織化学的な検討を行った結果、in situ hybridization法から得られたデータとほぼ一致したデータを得られたが、より詳細な検討が残されている。 (2)グルタミン酸受容体δ2サブユニットの特性: δ2サブユニットの発現を免疫組織化学的に調べると、発生初期にはプルキンエ細胞の細胞体と樹状突起にみられるものの成体になると樹状突起にしか分布しておらず、また、δ2ターゲットマウスではプルキンエ細胞の樹状突起にある平行線維とのシナプス数が正常マウスに比べ有意に減少していることが明らかになった。δ2サブユニットは平行線維とプルキンエ細胞とのシナプス形成、維持に重要な役割を果たしていると考えられた。 (3)各種ミュータントマウスの組織学的解析: 今年度は、神経奇形マウス、スタゲラ-マウスのプルキンエ細胞をIP3受容体およびCalbindinのmRNAをin situ hybridization法によりあらかじめ解析し、NMDA型グルタミン酸受容体の各サブユニットの発現様式を正常マウスのプルキンエ細胞と比較検討した。正常のプルキンエ細胞上でのNMDA型グルタミン酸受容体についてはξ1サブユニットのみの発現しかみられなかった、一方、スタゲラ-マウスではε1、ε4、ξ1サブユニットを発現するプルキンエ細胞と何も発現しないプルキンエ細胞の2種類がみられ、しかも、発現する細胞群と発現しない細胞群は交互にバンド状に分布していることを明らかにした。 (4)電気生理学的手法に基づく解析 パッチクランプ用電位測定装置などのシステムの立ち上げを続行中である。一方、(2)の解析をより精密に行うために、登上線維シナプスと平衡線維シナプスを標識により分別する必要が生じた。そのため、本電気生理用装置をもちいて電気泳動法による登上線維標識を確立した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takayama C, Inoue Y: "Altered intracellular localization of the glutamate receptor channel delta2 subunit in weaver and reeler Purkinje cells." Brain Res.745. 231-244 (1996)
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[Publications] Watanabe M, Inoue Y: "Modified N-methyl-D-aspartate receptor subunit expression emerges in reeler Purkinje cells after accomplishment of the adult wild-type espression" Neuroscience Res. 25. 325-344 (1996)
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[Publications] 渡邊雅彦: "中枢神経系の発達とNMDA型グルタミン酸受容体発現調節." 解剖誌. 71. 517-522 (1996)
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[Publications] Yamada K, Watanabe M: "EAAT4 is a post-synaptic glutamate transporter at Purkinje cell synapses." Neuroreport. 7. 2013-2017 (1996)
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[Publications] Nakagawa S, Watanabe M: "Regional variation in expressions of calbindin and inositol 1, 4, 5-trisphosphate receptor type 1 mRNAs in the cerebellum of the staggerer mutant mouse" Europian J of Neuroscience. 8. 1401-1407 (1996)
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[Publications] Takayama C, Nakagawa S,: "Developmental changes in expression and distribution of the glutamate receptor channel δ2 subunit according to the Purkinje cell maturatior" Developmental Brain Res. 92. 147-155 (1996)