1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07554028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安並 正文 日本大学, 工学部, 教授 (50004346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 修一 寿 製薬(株), 総合研究所, 課長
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Keywords | 新規アズレン合成法 / アルキルアズレン類 / 生理活性を示すアズレン誘導体 / アズレンスルホン酸ナトリウム / フルオロアズレン類 |
Research Abstract |
本研究は、本研究担当者の開発した新規なアズレン合成法の応用により合成可能となったアズレン類の生理活性についての研究を目的とする。以前にこの方法により合成された3-エチル-7-イソプロピルアズレンスルホン酸ナトリウムが顕著な抗潰瘍作用を示すことを見いだしている。本年度はこのエチルアズレン誘導体の特異的に顕著な生理活性に注目するとともに、一般的に生理活性の期待されるアズレン類の合成のため、以下の4点に焦点を絞って研究を行った。 1)種々の新規なエチルアズレン誘導体の合成:このテーマでは、文献には記載されているものの、有用な合成法がなく、合成困難であった誘導体を3種類、新規なエチルアズレン誘導体3種類の、計6種類を合成しそれらを水溶性アズレンに誘導し、現在生理活性のスクリーニングを行っている。 2)Se-グアイアズレンの合成:グアイアズレンの誘導体が広く医薬品として応用されているのに反し、その異性体であるSe-グアイアズレンは有用な合成法がないために殆ど研究されていない。本年度はまず、本研究担当者のアズレン合成法を応用し、比較的容易にSe-グアイアズレンを合成する方法を確立した。この結果については「第39回香料テルペン討論会」(1995年10月、宇都宮)で発表した。 3)フルオロアズレン類の合成:種々のアルキルアズレン類について求電子的フッ素を行い、2-メチルアズレン類が比較的良い収率で1-フルオロアズレン類を与えることを見いだし、10種類のフルオロアズレン誘導体を構成した。これらの生理活性もテスト中である。合成に関する内容はBull. Chem. Soc. Jpn.に投稿、受理され、印刷中である。 4)生理活性の期待されるアズレンキノン類の合成:このテーマは以前から継続していたが、本研究で用いた方法により合成された2-アルキルおよび2-アリールアズレン類が、特異的にアズレンキノン類を与えることを見いだした。この研究は本研究費の一部を使って不足の実験を行い、速報として報告した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T. Nozoe: "Synthesis of 3-Bromo-1,5-and-1,7-Azuleneqinones Having Some Alkyl or Phenyl Group by the Polybromination and Reductive Debromination of ……" Chemistry Letters. 1995. 439-440 (1995)
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[Publications] T. Nozoe: "Formation and Structure of 2-Diazo-2,4-azulenequinone Derivatives" Journal Organic Chemistry. 60. 5919-5924 (1995)
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[Publications] T. Ueno: "Synthesis and Properties of Fluoroazulenes. II. Electrophilic Fluorination of Azulenes with N-Fluoro Reagents" Bulletin of the Chemical Society of Japan. 69(in press). (1996)