1995 Fiscal Year Annual Research Report
赤外領域におけるシンクロトロン放射光の有効利用に関する研究
Project/Area Number |
07554053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
難波 孝夫 神戸大学, 理学部, 教授 (30091721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 誠 神戸大学, 理学部, 助教授 (90170646)
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Keywords | 赤外放射光 / 赤外時間分解分光 / UVSOR |
Research Abstract |
本研究はこれまで申請者らが中心となって行ってきた遠赤外領域での放射光利用での実績を基に次の2つの目的を持つ。(1)放射光の短パルス性を利用することで従来の時間応答スケールを千分の一以下に縮めるという新境地を開くことが可能な時間分解赤外分光実験、(2)放射光に高輝度性を最大限に利用することで初めて先進的な成果が期待できる半導体表面に関する表面赤外分光実験(IRAS)の2つの実用化。 この為に、我が国で唯一赤外放射光の利用が可能な分子科学研究所の放射光施設UVSORにおいて、UVSORとの共同研究の下に10^4-100cm^<-1>領域の赤外分光が可能な実験ステーションを建設した(時間分解赤外分光が可能な干渉分光計の設置及び試料チャンバーへの光の輸送系の設計と建設立ち上げ)。この装置は従来UVSORに設置されていた遠赤外-ミリ波領域の分光装置に加えて測定有効波長領域を近赤外領域まで拡張するもので、本研究目的の達成には不可欠のものであった。この完成により本研究の目指す時間分解赤外分光の基本的な実験環境の整備が終了した。今年度後半には高速赤外検出器を持ち込み放射光パルスの時間応答を計測するためそのパルスの立ち上がりを計測する予備的実験に着手している。赤外放射光のパルスは2ナノ秒(10^<-9>)であり、本実験での瞬間応答は高速検出器の時間応答の早さ(20ナノ秒程度)で決まるものと思われる。
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