1996 Fiscal Year Annual Research Report
フォトン走査トンネル顕微鏡による超高密度フォトンモード光記録法の開発
Project/Area Number |
07555012
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大津 元一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (70114858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横森 清 株式会社リコー, 中央研究所, 研究室長
寺町 康昌 労働省職業能力開発大学校, 情報工学科, 教授
興梠 元伸 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (10251662)
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Keywords | メモリ / 近接場 / プローブ / ファイバ |
Research Abstract |
フォトンモード光記録再生消去を行うためにフォトクロミック材料であるジアゾベンゼン誘導体8AZ5の超薄膜を作成した。波長350nmの紫外の近接場光をプローブ先端にしみ出させ、これを記録再生に用いた。記録についてはパワー密度100W/cm^2のとき約8秒であった。低パワーの近接場の光により再生した結果、円形の記録ピットの直径は約50nmであることがわかった。これは従来の光メモリのピットの1/10以下であり、従って100倍以上の記録密度が確認された。また長波長の光照射により記録ピットを消去することができ、良好なフォトンモード光記録再生消去を実現した。 次に、このようなフォトンモード光記録再生消去を超高速で行うために必要なプローブの高効率化を試みた。そのためにファイバプローブのコア先鋭部を軸非対称加工し表面プラズモンモードを励起した。その結果従来の軸対称プローブにくらべ10〜100倍の近接場光発生効率の向上が実現した。これによりデータ伝送レート100Mb/s以上の見通しが得られた。 なお、このような高効率プローブを実際に超高速走査するために、ファイバではなくシリコンの平面加工技術を用いてシリコン平面プローブアレイの作成を試みた。これが実現すれば、磁気メモリのフライングヘッドの高速走査技術などを流用して、プローブアレイの超高速走査が可能になるからである。加工にはシリコン結晶の方向性エッチングを使い、V溝を作成し、その底部に開口を作成した。約200nmの開口が実現し、光照射により近接場光が発生していることが確認された。 この他、超高密度光記録を実用化するために必要な記録媒体、記録再生アーキテクチュア、などに関する要件をピックアップし、本研究のまとめとした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] A.Zvyagin,M.Ohtsu: "Near-field optical microscope for true surface topography:theoretical approach" Optics Communications. 133. 328-338 (1997)
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[Publications] T.Matsumoto,M.Ohtsu: "Fabrication of a Fiber Probe with a Nanometric Protrusion for Near-Field Optical Microscopy by a Novel Technique of Three-Dimensional Nanophotolithography" J.Lightwave Technology. 14. 2224-2230 (1996)
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[Publications] 大津元一: "近接場光学による超高密度光メモリ" 電子情報通信学会誌. 79. 1160-1164 (1996)