1995 Fiscal Year Annual Research Report
エバネッセント波光散乱装置の試作と界面における高分子粒子の特異挙動の解析
Project/Area Number |
07555300
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山岡 仁史 京都大学, 工学研究科, 教授 (80026004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 幸三 京都大学, 工学研究科, 助手 (90273474)
松岡 秀樹 京都大学, 工学研究科, 助手 (40165783)
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Keywords | エバネッセント波 / 光散乱 / 界面 / 相互作用 / ラテックス / 全反射 / 動的挙動 |
Research Abstract |
高分子間相互作用は、高分子材料、コロイド、生体高分子等、種々の物質の構造、機能を特徴づける最も重要な因子である。その中でも特に、高分子界面間相互作用および界面近傍での高分子の特異的な挙動が注目を集めつつある。これは、界面近傍での情報のみを取り出すことが実験手法的に困難であることに依っている。本研究は、エバネッセント波技術と静的および動的光散乱装置を組み合わせた、固-液および気-液界面における高分子の形態、集合状態、拡散挙動および相互作用ポテンシャルを評価しうるエバネッセント波光散乱装置を構築し、界面における高分子の特異的挙動、およびその根源を明らかにすることにより、高分子科学、界面科学、および材料科学に貢献しうる新規な基礎的データを蓄積することを目的としている。初年度である本年度は、まず、エバネッセント波光散乱装置の試作に取り組んだ。除振台上に、現有の顕微鏡システム、新たに制作したエバネッセント用特殊セル、および新たに購入したアルゴンレーザーを組つけ、エバネッセント波装置本体を作成した。顕微鏡にて取り込んだ散乱光を光ファイバーで導き、検出部および解析部として新たに購入した光散乱光子相関計に入射させ、装置を完成させた。心配された散乱強度および振動の影響は良好であったが、光ファイバーに工夫を要した。装置の完成を受け、静的測定によりラテックス粒子とガラス界面の相互作用ポテンシャルの評価を行った。測定時間間隔をミリ秒以下とするときれいなポテンシャルカーブが得られ、そのイオン強度依存性も明瞭に検出できた。また、動的測定によっても、十分な精度の時間相関関数を得ることに成功した。詳細は現在解析中である。今後は、さらに測定精度を向上させるとともに、種々の粒子-界面間へ測定を拡張していく予定である。
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Research Products
(1 results)