1995 Fiscal Year Annual Research Report
地盤流動にともなう大変形の可能なせん断試験装置の開発
Project/Area Number |
07555444
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東畑 郁生 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20155500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉嶺 充俊 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (80251338)
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Keywords | せん断 / 大変形 / 微視的観察 / 定常状態 |
Research Abstract |
リングせん断装置を用いて砂の大変形実験を行った。またせん断時の砂粒子の動きを顕微鏡のスケールで観察を試みた。リングせん断試験では、ひずみにして400%程度に及ぶ大変形が可能であり、在来の三軸せん断装置や中空ねじり装置にない特色を持っている。本研究で使用した装置は供試体の高さ一定でせん断変形を起こさせることができ、これは非排水せん断試験と等価である。 従来の三軸せん断装置では、応力ひずみ曲線がピーク強度を過ぎたのち、一度軟化して準定常状態に至り、さらにその後硬化してゆくことが観察されていた。しかしひずみの限界のため、この後どのような状態に至のかは、定かではなかった。このたびのリングせん断では、準定常状態のあと硬化して最終的な残留強度状態、すなわち定常状態に至ることが示された。 定常状態の強度は、砂の密度とともに増加する。また、せん断ひずみ速度によらず一定であり、粘性的な傾向は見られなかった。繰り返しせん断後に大変形させた実験では、定常状態強度が小さめであることもわかった。 せん断に際して砂粒子の運動をミクロに観察したところ、せん断初期の応力レベルの低い間は砂粒子が比較的自由に運動していた。一方応力レベルが高まったのち、準定常状態以降は特に、粒子同士の衝突と回転が著しいことがわかった。これらのミクロな現象が巨視的な応力ひずみ挙動に反映されている、と考えている。
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