1995 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー密度電子ビーム溶射法の確立に関する研究
Project/Area Number |
07555522
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿部 信行 大阪大学, 溶接工学研究所, 助教授 (90127176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 純司 近畿大学, 理工学部, 助教授 (30088471)
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Keywords | 高エネルギー密度 / 電子ビーム / 溶射 / 表面改質 |
Research Abstract |
本年度は3年計画の初年度として 1.まずパウダーフィーダを購入し、これに対真空対策、制御用電気部品の装着等の改造を加え、現有の高出力電子ビーム溶接装置の真空チャンバー内に設置した。 2.現在この改造パウダーフィーダの真空中での運転試験を行い、真空中で種々の粒径の粉末が安定して供給できる条件をさぐるとともに、最適制御システムを検討している。 3.また、金属粉末材料に対する高エネルギー密度電子ビームの照射現象の基礎的知見を得ることを目的として、粒径の異なる各種金属材料粉末に高エネルギー密度電子ビームのエネルギー密度、出力を変えて照射を行い、粉末材料の溶融現象を高速度カメラ等で観察することにより、基礎現象の把握を行うと共に、得られた膜の評価を行っている。 4.現在までに以下の知見が得られている。 (1)ビームのエネルギー密度が低いと溶融現象が比較的ゆるやかに生じるのに対し、ビームのエネルギー密度が高いほど溶融・蒸発現象は激しく成膜速度も大きくなる。 (2)発生する蒸気流に方向性があり、均一に成膜するための施工法の開発が必要である (3)材料の粒径が小さいほど蒸発現象が激しくなるが、粒径が小さいほど真空中での円滑な粉末供給が困難になる。 したがって、次年度以降は 1.より小さい粒径の粉末まで供給できるようにパウダーフィーダの改良を継続する。 2.成膜速度や膜厚の定量測定を行い、電子ビーム条件との関連についてさらに検討を加える。 3.粉末の溶融・蒸発現象についてもさらに詳しく現象観察を行う。
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