1995 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波加熱による製鋼スラグ、ダストの処理、再利用に関する研究
Project/Area Number |
07555539
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐野 信雄 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50010749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 一樹 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (00210170)
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Keywords | スラグ処理 / マイクロ波加熱 / 誘電損失 / スラグ再利用 / 鉄資源回収 / 不純物固定化 / ダスト処理 |
Research Abstract |
本年度は、こまれでに得られた知見を整理するとともに、既存の500W、2.45GHzの電子レンジでCaO,SiO_2,Al_2O_3FeO,Fe_3O_4,Cr_2O_3,CaF_2等の各種酸化物やフッ化物の加熱挙動(または加熱の有無)を調べた。石英坩堝中にそれぞれの粉末不具15g秤量し、その周りをアルミナ繊維の断熱材と煉瓦で覆い、マイクロ波を照射し加熱を試みた。温度の計測は、煉瓦にあけた孔と石英坩堝を通して2色温度計で行い、記録した。これらの実験結果から、遷移金属酸化物、特にFeOとFe_3O_4は非常に効率よく加熱されることがわかった。 次に、出力の1.6kwのレンジで温度計測が自動的にモニターできるような設備を整え、実際の製鋼スラグを模擬したCaO-SiO2-FetO系スラグを予備溶融して作製し、Fe_tO濃度依存性やFeの2価/3価比の依存性を調べた。Feの2価/3価比の制御は、還元雰囲気で作製したCaO-SiO_2-Fe_tO系スラグを大気雰囲気中で熱処理しその処理時間を変えて行った。Fe_tO濃度と昇温速度の間には特に明確な関係は得られなかったが、同じFe_tO濃度でも2価/3価比により大きな違いが見られ、昇温速度を最大にする領域が存在することが判明した。500Wでは1400℃までの加熱に8〜10分かかったスラグも、1.6kWでは3〜4分で同温度に達した。 また、予熱溶融したものとそれぞれの成分粉末を混合した物では昇温挙動には大きな違いが見られこれは予備溶融したスラグ中に存在するFeの形態が異なるすなわちカルシウムフェライトを形成していることによるためとX線回折測定により推察された。これは、1MHzで測定したスラグの誘電損失の結果とも一致し、スラグが含有するCaFe_3O_5相の量に加熱速度が依存していることが判明した。従って、影響が少ないと考えたCaO/SiO_2比もこの結晶析出量を変化させる要因となることが予測されるので、早急にその影響を調査する必要があると考えられる。
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