1995 Fiscal Year Annual Research Report
スクラッチ試験における皮膜破損機構解明システムの開発
Project/Area Number |
07555619
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
武藤 睦治 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00107137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井原 郁夫 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (80203280)
古口 日出男 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (90143693)
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Keywords | スクラッチ試験 / コーティング材 / 皮膜破損機構 / 密着性 |
Research Abstract |
(1) スクラッチ試験における皮膜破損過程その場観察装置の設計試作を行い、その性能を確認した。本装置は通常のスクラッチ試験と同様、摩擦力とAEを同時に計測でき、臨界荷重を決定できる。さらに、光学顕微鏡により、試料裏面より基材を通して皮膜の破損の様子をその場で、連続して観察することができる。また、その映像をビデオカメラを通し、ビデオテープに録画し、試験後詳細に破損過程を検討することができるようになっている。 (2) スクラッチ試験による破損過程のその場観察用の試料として、透光性を有するガラス基材上にAuおよびTiN皮膜を施した試験片を作製した。さらに、実用上問題となっている、高速度鋼基材上にCVDによりTiNおよびTiC皮膜を成膜した試験片、それらをPVDにより成膜した試験片の4種類を製作し、次年度の本格的試験の準備を行った。これらの試験片は、皮膜の種類と皮膜材質の相違を分離して、密着強度を検討することが必要であるためである。 (3) コーティング層のヤング率などの力学的性質は今後の破損過程の解析および密着性評価に必須である。そこで、超音波顕微鏡を用い、表面波速度を測定するとともに、その値から逆解析の手法によりそれらを推定した。その結果によると、TiN皮膜のヤング率は540GPa、ポアソン比は0.225、TiC皮膜のヤング率は359GPa、ポアソン比は0.235、Auのヤング率は80.4GPa、ポアソン比は0.345であった。
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