1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07556081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
桑野 栄一 九州大学, 農学部, 助教授 (00108672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 圭一 明治製菓(株), 農動薬研究所, 研究員
鈴木 幸一 岩手大学, 農学部, 助教授 (20003791)
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Keywords | 変態 / 休眠 / 昆虫制御物質 |
Research Abstract |
従来、蚕に対して早熟変態誘起活性を示したのは、1,5-二置換イミダゾール誘導体だけであったが、今回、新たに1-置換イミダゾール化合物と3-ピリジル エーテル化合物にも早熟変態誘起活性があることを見い出した。1-置換イミダゾール化合物の構造と活性の関係を検討した結果、直鎖アルキル基としてドデシル基の場合が最も高い活性を示し、それより炭素数が増減すると活性は低下した。また、3-フェノキシプロピル基でも活性を示し、ベンゼン環のパラ位へのエチル基あるいはプロピル基の導入により活性は著しく増加した。一方、3-ピリジル エーテル類では、特に5-(4-プロピルフェノキシ)ペンチル 3-ピリジル エーテルに強い活性が認められた。ピリジン環とベンゼン環の間の炭素数が5個の場合に最も強い活性を示した。ベンゼン環上の置換基としてパラ位にエチル基や塩素原子を導入した場合、プロピル基と同等の活性を示し、オルト位やメタ位では著しく活性は低下した。以上の1-置換イミダゾール化合物と3-ピリジル エーテル化合物の早熟変態誘起活性は幼若ホルモン(JH)活性物質メソプレンおよびエクジステロイド(Ed)活性物質テブフェノチドにより完全に打ち消されたことにより、これらの化合物がJHおよびEdの作用を何らかの形で抑制していると考えられ、昆虫生育制御物質の新たなリ-ド化合物になることを示唆した。 農業害虫ヒメトビウンカ、トビイロウンカに対して殺虫活性を示す化合物として、1-イソブチル-5-(3-アリロキシフェニル)イミダゾールの他、1-イソブチル-5-(3-ブチロキシフェニル)イミダゾール、1-イソプロピル-5-(4-ベンジルオキシフェニル)イミダゾール等を発見した。これらの化合物は幼虫脱皮、変態を阻害することにより殺虫活性を示した。 休眠卵を産むよう運命づけられている蚕大造品種の5齢幼虫に、1-ベンジル-5-〔(E)-2,6-ジメチル-1,5-ヘキサジエニル〕イミダゾール(KK-42)を注射あるいは局所施用すると、成長した蛾の一部が非休眠卵を産むことを発見した。
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