1995 Fiscal Year Annual Research Report
アジュバント内蔵型家禽用コンポーネントワクチンの開発
Project/Area Number |
07556119
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 文昭 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10162471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 大二 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (40168828)
牧 与志幸 (株)サイエンスタナカ, 技術研究所, 所長
田中 雅之 (株)微生物化学研究所, 主任研究員
服部 雅一 京都大学, 医学部, 助手 (40211479)
藤井 暢弘 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90133719)
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Keywords | 家禽 / コンポーネントワクチン / アジュバント / ボツリヌス毒素 / マレック病 / ニューカッスル病 / B抗原 / 細胞接着 |
Research Abstract |
本研究の目的は、より免疫能(免疫原性)が高く、安全かつ低コストのアジュバント内蔵型家禽用コンポーネントワクチンを、遺伝子工学的手法を用いて開発することである。そのため、ボツリヌス毒素の細胞結合部分をキャリア蛋白質として用いて、コンポーネントワクチンの免疫原性を高める試みを行う。抗原遺伝子としてはマレック病のB抗原およびニューカッスル病ウイルスのHN抗原を用いる。これらの抗原はいずれも遺伝子のクローニングに加えて、組み換えワクチンとしての効用が確認されている。このために、本年度においてはボツリヌス毒素蛋白質のうち、細胞表面に吸着する事の可能な最小の分子を同定を目指した。同時に、マレック病のB抗原およびニューカッスル病ウイルスのHN抗原について、大腸菌により合成ご精製する方法を確立した。大腸菌発現用プラスミドとして発現量と精製度の高さからpET32ベクターを選択した。本ベクターはキャリア蛋白質としてヒスチジン親和性ペプチド、S蛋白質親和性ペプチドおよびチオレドキシンとのキメラ蛋白質として抗原蛋白質を発現させる。ボツリヌス毒素蛋白質の細胞吸着領域を同定するため、毒素蛋白質重鎖全体、C末端側300アミノ酸残基およびC末端側120アミノ酸残基を上記のキャリア蛋白質とのキメラ蛋白質として発現させるクローンを作出し、続けて、上記のキャリア蛋白質と親和性を持つアフィニティーカラムを用い、組み換え蛋白質を高度に精製した。マレック病のB抗原およびニューカッスル病ウイルスのHN抗原についても、上記のキャリア蛋白質とのキメラ蛋白質として発現させるベクターを作出し、組み換え蛋白質を精製した。マレック病のB抗原については、組み換え蛋白質とマレック病感染鶏血清との反応により、組み換え蛋白質がエピトープの一部を保存している事が示唆された。
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