1996 Fiscal Year Annual Research Report
先進的腹腔鏡下手術の適応拡大を目指した腹腔鏡下手術支援ロボットの開発
Project/Area Number |
07557085
|
Research Institution | KEIO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
北島 正樹 慶應義塾大学, 医学部・外科, 教授 (90112672)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 豊 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (50112694)
中澤 和夫 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (80217695)
大上 正裕 慶應義塾大学, 医学部・外科, 助手 (50146619)
|
Keywords | 腹腔鏡下手術 / 胸腔鏡下手術 / 内視鏡下手術 / ロボット / 手術支援ロボット / バーチャル・リアリティー / マニプレータ / 自由度 |
Research Abstract |
われわれの研究の目的は、複雑な腹腔鏡下手術操作を支援するためのロボットを開発することにあり、先端部分に把持、剥離機能と数関節の自由度を持ち、術者が手元で操作することにより縫合・結紮などの精密操作を行なうことができ、触覚も伝達することができるmaster-slave manipulatorとしての手術支援ロボット・システムの開発を目指している。 平成8年度の研究では、手術支援ロボットの設計を完成させるために、動作制限を受けている腹腔鏡下手術での縫合・結紮操作と、制限を受けない開腹手術での縫合・結紮操作をmotion capture systemによる動作解析から比較検討し、ロボット・システムの先端部分にどれだけの自由度を持たせることにより開腹手術に近い精密動作が可能か解析し、ほぼロボットの設計を完成させた。これをもとにvirtual realityでロボットの形状を再現し手元操作部の模型で動作性能の分析を行なった。 これらの設計をもとに、6自由度を有し、腹腔鏡下手術を想定して丁度腹部が支点となるように平行リンク機構とし、さらに操作用のロッド等が全てここを通過するように3自由度のパラレル機構としたシステムを持つロボットのプロトタイプを試作した。これらの制御のために6自由度ジョイスティックを用いるシステムも併せて完成させた。さらに、触覚を精密に伝達するPHANTOMというシステムを4台組み合わせて2本指の触覚を遠隔に伝達するシステムの研究も開発し、将来手術支援ロボットの中に触覚伝達機能を組み込むための研究を開始した。
|
-
[Publications] 大上正裕、北島正樹: "内視鏡下手術におけるmaster-slave robotic system導入の可能性-より高度な技術を、より安全、容易に行うために" 医学のあゆみ. 179巻9号. 739-740 (1996)
-
[Publications] 大上正裕、北島正樹: "21世紀における内視鏡下手術の可能性" 医学のあゆみ. 179巻9号. 729-730 (1996)
-
[Publications] 大上正裕、北島正樹: "21世紀における内視鏡下外科手術の展望" 消化器病セミナー・65. 190-197 (1996)