1996 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性細菌のエピトープペプチドを用いた歯周病病態解析診断システムの開発
Project/Area Number |
07557114
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 知彦 大阪大学, 歯学部, 助教授 (80160761)
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Keywords | 歯周病 / Porphyromonas gingivalis / 線毛 / B細胞エピトープ / 血清 / 診断 / 抗体 / ペ-パ-ポイント |
Research Abstract |
本年度は,初年度に確立したペ-パ-ポイントを用いた診査・診断システムを用いて,先ず,1)歯周病患者の歯肉溝液,唾液ならびに血清中のP.gingivalis線毛蛋白抗原やそのエピトープに対応するペプチド抗原に対する特異抗体を調べ,その反応性と歯周病との関係を検討した.その結果,P.gingivalisの2つのタイプの線毛蛋白抗原やそのB細胞エピトープ領域を模して合成し部分ペプチドと患者歯肉溝液および同血清と明確な反応がみられた.しかしながら患者の唾液との反応は大変弱いものであった.また,2つのタイプの線毛蛋白抗原に両方反応する血清やそれぞれの線毛抗原にしか反応しない血清が認められた.さらに,同システムにおいて,これら特異免疫グロブリンのサブクラスのパターンと歯周病の病態との関連についても調べた結果,歯肉溝液との反応において調べた限りでは,特にIgGサブクラスにおいて病態の悪化にともないIgG4サブクラスの反応性が強まる傾向が見られた.2)初年度に作出した両線毛蛋白抗原に対する特異抗体を用いて,歯周病患者の歯肉縁下プラーク中のP.gingivalisの検出をペ-パ-ポイント上でELISAにより検討した結果,歯周病患者の歯肉溝液サンプルにおいて明確な反応が得られた.3)臨床データをもとに,その歯周病の病態の進行と本システムの反応性には正の相関関係が得られ,同システムの有用性が期待できるものと考える.
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