1996 Fiscal Year Annual Research Report
cDNA導入による安定細胞系の確立と創薬のための薬物効果判定モデルの作製
Project/Area Number |
07557195
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Section | 試験 |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮本 英七 熊本大学, 医学部, 教授 (50109659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 秀幸 熊本大学, 医学部, 講師 (60191433)
福永 浩司 熊本大学, 医学部, 助教授 (90136721)
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Keywords | CaMキナーゼII / cDNA / 遺伝子強制導入 / 安定クローン細胞 / カルシウムイオン / カルシニューリン / プロテインホスファターゼ / MAP2 |
Research Abstract |
受容体,酵素,イオンチャネルなどの機能蛋白質のcDNAを確立した細胞系に導入して発現させ,細胞モデルを作製することで,薬物開発の有用なシステムを作り出すことができる。これらの細胞系は,薬物の効果判定や創薬に役立てることができよう。 本研究では,ラット脳CaMキナーゼIIα,β,γ,δサブユニットのcDNAをそれぞれ特異的な合成プライマーからPCRの方法に基づき作製した。動物細胞の発現ベクター(pCAGGSneo)に組み込み,電気パルス法あるいはリポフェクタミン法を用いてPC12細胞,NG108-15細胞に強制導入した。CaMキナーゼIIcDNAを持たないベクターを強制導入したMock細胞および野生細胞を対照細胞とした。1)CaMキナーゼIIα,β,γ,δ発現ベクターをNG108-15に強制導入し,クローニングすることで,それぞれのサブユニットを発現する安定細胞を得た。2)それぞれのCaMキナーゼIIサブユニットを発現させた細胞で酵素活性を細胞上清分画,顆粒分画で測定すると,その比が異なり,細胞内分画での発現に差があることを示唆している。3)PC12細胞にCaMキナーゼIIαを発現させ,安定細胞を得た。Ca^<2+>イオノフォアであるイオノマイシンを作用させ,MAP2燐酸化反応を対照細胞と比較して調べた。a)高濃度イオノマイシン投与による刺激では,MAP2燐酸化反応が上昇した。自己燐酸化反応の増強も認められた。b)低濃度イオノマイシン投与による刺激では,MAP2燐酸化反応が対照細胞に比較して減少していた。このことは,細胞内Ca^<2+>濃度上昇によりカルシニューリン活性化反応を示唆した。事実,カルシニューリンの存在をイムノブロット,ノーザンブロットにより確認した。これらの結果は,蛋白質燐酸化反応,が細胞内でプロテインキナーゼとプロテインホスファターゼの作用の総和として発現していることを示している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Tashima: "Overexpression of Ca^<2+>/calmodulin-dependent protein kinase II inhibits neurite outgrowth of PC12 Cells" J.Neurochem.66. 57-64 (1996)
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[Publications] N.Yanagihara: "Phosphorylation of chromogranin A and catecholamine secretion stimulated by elevation of intracellular Ca^<2+> in cultured bovine adrenal medullary cells" J.Biol.Chem.271. 17463-17468 (1996)
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[Publications] S.Yano: "Regulation of CCAAT/enhancer binding protein(C/EBP) family members by stimulation of glutamate receptors in cultured rat cortical astrosytes" J.Biol.Chem.271. 23520-23527 (1996)
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[Publications] K.Ebihara: "Cyclosporin A stimulation of glucose-induced insulin secretion in MIN6 cells" Endocrinology. 137. 5255-5263 (1996)
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[Publications] M.Kurino: "Cyclic AMP inhibits activation of mitogen-activated protein kinase and cell proliferation in response to growth factors in cultured rat cortical astrocytes" J.Neurochem.67. 2246-2255 (1997)
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[Publications] E.Miyamoto: "A role of Ca^<2+>/calmodulin-dependent protein kinase II in the induction of long-term potentiation in hippocampal CA1 area" Neurosci.Res.24. 117-122 (1996)
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[Publications] 宮本英七: "シナプス伝達効率の調節と蛋白質燐酸化,脱燐酸化反応.分子から高次脳機能へ,脳の階層性をふまえて.(二木宏明,田中啓治,宮本英七,佐武 明,中辻憲夫・編集)" 共立出版社, 9 (1996)