1997 Fiscal Year Annual Research Report
cDNA導入による安定細胞系の確立と創薬のための薬物効果判定モデルの作製
Project/Area Number |
07557195
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮本 英七 熊本大学, 医学部, 教授 (50109659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 二郎 熊本大学, 医学部, 助手 (10295131)
山本 秀幸 熊本大学, 医学部, 講師 (60191433)
福永 浩司 熊本大学, 医学部, 助教授 (90136721)
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Keywords | カルシウムイオン / CaMキナーゼII / cDNA / サブユニットアイソフォーム / 抗体 / 遺伝子強制導入 / 発現細胞 / 核移行シグナル |
Research Abstract |
Ca^<2+>/カルモデュリン依存性プロテインキナーゼII(CaMキナーゼII)は全身の組織に分布し,Ca^<2+>を介する細胞機能に関与していることが知られている。本研究では,Ca^<2+>シグナリングの担い手であるCaMキナーゼIIアイソフォームcDNAを得,確立した細胞系に過剰発現させ,その挙動を調べた。1)CaMキナーゼIIα,β,γ,δcDNAのプライマーを作製してPCR法によって得た。得られたcDNAをプローブとして検索するとそれぞれのcDNAは,各サブユニットmRNAのみを認識し,特異的であった。2)各cDNAを発現ベクターに組み込み,リポフェクタミン法によってNG108-15細胞に発現させた。蛋白質レベルでの発現は良好であった。3)δサブユニットC末端部16アミノ酸ペプチドにヘモシアニンを結合させ,家兎に注射してポリクローン抗体を作製した。得られた抗体はサブユニットアイソフォームの中でδサブユニットのみ認識し,組織抽出液の中でもCaMキナーゼIIδサブユニットのみ認識した。4)イムノブロットによる解析,免疫組織化学法による結果から,ラット小脳にはδサブユニットが豊富に存在することが明らかになった。δサブユニットに対するプライマーを作製し,PCR法にてcDNAを得た。シークエンサーを用いて塩基配列を調べると,δ1,δ2,δ3,δ4であった。δ3の配列は,すでに心臓に存在の知られていたδ3そのものと,これまで報告のないδ3.1,δ3.4の2種のcDNAであることがわかった。命名どおりに,δ3.1はδ3variableドメインに続き,δ1variableドメインが結合していた。δ3.4はδ3variableドメインに続き,δ4variableドメインが結合していた。δ3アイソフォームはいずれも核移行シグナルを持っている。核移行シグナルと核移行シグナルに続く塩基配列がδアイソフォームの核内発現にどのような影響を持っているか検索している。また,発現細胞を用いてCaMキナーゼIIの機能的役割を調べている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Motohiro Morioka: "Calcineurin in the adult rat hippocampus : Different distribution in CA1 and CA3 subfields" Neuroscience. 78. 673-684 (1997)
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[Publications] Masanobu Sugimura: "DY-9760e, a novel calmodulin antagonist with cytoprotective action" Eur. J. Pharmacology. 336. 99-106 (1997)
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[Publications] 御子柴克彦: "細胞内カルシウムホメオスタシスと細胞機能" 細胞工学. 16. 10-15 (1997)
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[Publications] 福永浩司: "CaMキナーゼIIと神経機能" 細胞工学. 16. 55-63 (1997)
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[Publications] 山本秀幸: "脳のSer/Thrホスファターゼの役割" 細胞工学. 16. 210-215 (1997)
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[Publications] 宮本英七: "細胞内情報伝達系と可塑性" CLINICAL NEUROSCIENCE. 15. 1119-1121 (1997)
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[Publications] Eishichi Miyamoto: "Role of Ca^<2+>/calmodulin-dependent protein kinase II in neuronal regulation, In : Kinases and Phosphatases in Lymphocyte and Neuronal Signaling" Springer-Verlag, Tokyo (Ed. H. Yakura), 10 (1997)