1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07557208
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大橋 真 徳島大学, 総合科学部, 教授 (40128369)
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Keywords | マラリア / ワクチン / 好中球 / 遊走因子 / SOD |
Research Abstract |
既にT.foetus虫体から精製されている好中球遊走因子TfNCFに対する抗体で、T.foetus cDNAライブラリーをスクリーニングし、陽性クローンの塩基配列の決定を行った。その結果この遺伝子はFe・SODであり、最近明らかにされたP.falciparumのFe・SODともかなり高い相同性を示すことがわかった。そこでマラリアの系において、Fe・SODがワクチン候補になりうるかどうかを検討する目的で、P.falciparum SOD遺伝子の変異を調べた。ソロモン諸島ホニアラの中央病院のマラリア患者末梢血より採集された赤血球よりゲノムDNAを取り出し、P.falciparum SOD特異的なプライマーを用いてSOD遺伝子を増幅させ、pET21aにサブクローニングし、リコンビナントタンパクを発現させた。250ng/mlのIPTG存在下2時間培養した大腸菌のライセ-トを、キレートアフィニティークロマトでリコンビナント蛋白の精製を行った。精製したタンパク質をSDS・PAGEで解析したところ、約23Kdの単一バンドを示し、予測される蛋白の分子量とほぼ一致した。このリコンビナントSODに対する、マラリア流行地住民の血清中の抗体価を酵素抗体法で測定した。その結果、流行地の多くの住民にP.falciparum SODに対する抗体が検出されたが、実際の血中のマラリア原虫の有無と抗体価の間には関連が見られなかった。また、年齢と抗体価の間にも相関は見いだされなかった。このSODがマラリア感染において、感染防御免疫を誘導することができるのかを検討するために、リコンビナントSOD10μgをGerbuアジュバントと共にddYマウスに免疫し、40日後にP.bergheiを感染させ、経時経過を観察した。その結果SODが部分的ながら異種であるマラリア原虫にも感染防御免疫を誘導することが明らかとなった。
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[Publications] Owhashi M, Arita H, Niwa A.: "Production of cosinophil chemotactic factor by CD8^+T cells in Toxocara canis-infected mice." Parasitology Research.
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[Publications] Owhashi M, Nawa Y.: "Heterogeneity of cosinophil chemotactic factors produced by splenic T cells of Schistosoma-japonicum-infected mice." Parasitology International. 46. 217-224 (1997)
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[Publications] Granger BL, Warwooda SJ, Hayai N, Hayashi H, Owhashi M.: "Identification of a neutrophil chemotactic factor from Tritrichomonas foetus as superoxide dismutase" Molecular and Biochemical Parasitology. 89・1. 85-95 (1997)
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[Publications] Owhashi M, Kirai N, Horii Y.: "Eosinophil chemotactic factor-release from neutrophils by stimulation with Schistosoma japonicum eggs." Parasitology Research. 83・1. 42-46 (1997)