1995 Fiscal Year Annual Research Report
モレキュラーインプリントポリマーによる複合糖質糖鎖の認識
Project/Area Number |
07557299
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
|
Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
萩中 淳 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (20164759)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安中 雅彦 三菱化学研究開発本部, 横浜総合研究所, 副主任研究員
細矢 憲 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (00209248)
|
Keywords | モレキュラーインプリント / 糖鎖 / 分子認識 / 多段階膨潤重合法 |
Research Abstract |
当初の計画では、1)多段階膨潤重合法により糖鎖と相補的結合が可能な置換基を有するモノマーを選択し、インプリント分子(糖)と水系で重合を行う、2)特に、末端にシアル酸を持つ糖鎖のモレキュラーインプリントポリマーの合成を検討し、その分子認識を検討する予定であった。しかし、期待された結果が得られなかった。そこで、ガラクトース、グルコース、マンノースなどの単糖の分子認識を先に検討した。その結果、モノマーとしてフェニルボロン酸誘導体を用いて調製したポリマーは、cis-ジオールを強く保持する傾向を示し、モレキュラーインプリント法において有効なホストとして利用できることがわかった。また、モノマーを基材粒子が重合した段階で添加することにより、生成したポリマーの表面付近に効率よく分子認識能を持つモノマーを析出させることが可能であることが分かった。本手法を用いることにより、表面に糖鎖認識部位を持つモレキュラーインプリントポリマーの合成が期待される。 上記のように、フェニルボロン酸誘導体がモレキュラーインプリント法において有効なホストとして利用できることが分かった。従って、この場合のポリマーの調製法として、重合媒体を用いない重合系が有効と考えられるため、今後、この系でのフェニルボロン酸誘導体をホストとして用いたモレキュラーインプリントポリマーの合成を行う予定である。さらに、より大きな特異的認識能を発現させるために、ボロン酸と錯体を形成しないプリント分子の水酸基についても注目し、その水酸基と相互作用するモノマーも用いることについても検討する予定である。
|