1995 Fiscal Year Annual Research Report
BMP受容体会合蛋白質を標的とする薬物スクリーニング系開発
Project/Area Number |
07557373
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上野 直人 北海道大学, 薬学部, 教授 (40221105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝又 隆 住友製薬(株), 総合研究所, 主任研究員
澁谷 浩司 北海道大学, 薬学部, 助教授 (30261324)
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Keywords | BMP / 骨形成 / 受容体 / セリン / スレオニンキナーゼ / 情報伝達 |
Research Abstract |
骨形成タンパク質(bone morphogenetic protein,BMP)はTGF-βスーパーファミリーに属する細胞増殖因子で,異所性に骨や軟骨を誘導,形成する活性を有している.このBMPの受容体はセリン/スレオニンキナーゼであることが知られており,構造上の特徴からタイプIおよびタイプII型に分類される2種類が同定されている.これらの受容体のうち,とくにタイプI受容体はシグナル伝達に必須な役割を担っていると考えられている.したがって我々は平成7年度に酵母を用いた2ハイブリッド法によってBMP-2およびBMP-4に特異的なBMPタイプI型受容体に会合する分子のスクリーニングを行った.その結果,新規遺伝子を単離し,それに続くヒトcDNAライブラリーのスクリーニングによって分子量約7万のタンパク質をコードする全長cDNAの構造を明らかにした.このタンパク質はBMP受容体に結合することからBRAM-2(BMP receptor-associated protein-2)と名付けられた.全構造決定の結果,同タンパク質は分子のC末端側で結合することが明らかになり,また欠損変異体の作製によりN末端側はBMP受容体との結合に抑制的に働くことが明らかになった.さらに,細胞内でもBMP受容体とBRAM-2が結合することが確認され,BRAM-2はBMP受容体と結合することによって,生理的に重要な役割を担っているものと予想された.実際に,細胞内での過剰発現の結果からBRAM-2はBMPシグナルに良く静的に働くことが示唆されたため,受容体とBRAM-2との結合を阻害する物質はBMPシグナルのアゴニストとして働くものと期待される.したがって次年度はそのような物質の探索するためのスクリーニング系を構築する計画である.
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Research Products
(1 results)