1995 Fiscal Year Annual Research Report
院内感染菌MRSAに対する生薬成分からの新規抗菌薬の開発研究
Project/Area Number |
07558095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
樋口 富彦 徳島大学, 薬学部, 教授 (50035557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新行内 賢一 アルプス薬品工業株式会社, 開発部, 研究員
佐藤 陽一 アルプス薬品工業株式会社, 開発部, 研究員
柴田 洋文 徳島大学, 薬学部, 助手 (00093865)
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Keywords | MRSA / 生薬 / 抗菌活性物質 / 訶子 / 蒼耳 / Gallic acid / Ethyl gallate / Xanthatin |
Research Abstract |
1.キュラソ-アロエ等6種の生薬生物からのMRSAに対する抗菌物質の単離精製: (1)生薬生物粉砕品からの粗抽出画分の調製:計画した6種の生薬生物のうち,現在4種について粗抽出画分の調製を終え,残る2種は現在調製中である. (2)抗菌物質の単離精製:MRSAに対する抗菌活性を指標として精製を進めた結果,現在までに調製を終えた粗抽出画分のうち,2種の生薬生物由来の粗抽出画分から既に3種の抗菌物質を単離精製した(訶子から2種と蒼耳薬から1種).その他の生薬生物由来の粗抽出画分については現在進行中である. 2.抗菌物質の化学構造の決定: 現在までに単離精製した3種の抗菌物質について,既にその化学構造を決定した.すなわち,訶子から単離精製された2種の抗菌活性物質は,gallic acidとethyl gallateであり,また蒼耳薬から単離精製された抗菌活性物質は,xanthatinであることがわかった. 3.抗菌スペクトルと細胞増殖抑制効果: 現在までに構造決定した抗菌物質についてその抗菌スペクトルを検討した結果,すべての抗菌活性物質にグラム陽性球菌のなかでも特にブドウ球菌に対して強い抗菌活性を示すという特徴が認められた.一方,gallic acidとethyl gallateについては,ヒト細胞に対しては毒性が無いか、あるとしてもその毒性は著しく低いという成績を得た.この成績は,申請者らが志向したヒトに対して低毒性でMRSAに対して強い抗菌活性を有する薬剤の創製という命題に合致している.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ezaki,J.,ら: "Specific Delay of Degradation of Mitochondrial ATP Synthase Subunitcin Late Infantile Neuronal Ceroid-Lipofuscinosis (Batten Disease)" J.Neurochem.64. 733-741 (1995)
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[Publications] Prescott,M.,ら: "The Functional Expression of A Rat cDNA Encoding OSCP In The Yeast Saccharomyces cerevisiae" Biochem.Biophys.Res.Commun.207. 117-124 (1995)
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[Publications] 樋口富彦 ら: "生体超分子システム-生命理解のかなめ" 共立出版, (1995)
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[Publications] 樋口富彦 ら: "オルガネラの調製法と実験法細胞生物学実験法" 廣川書店(印刷中),