1996 Fiscal Year Annual Research Report
単一ニューロン中の神経伝達物質受容体サブユニットmRNAの測定法の開発
Project/Area Number |
07558109
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小澤 瀞司 群馬大学, 医学部, 教授 (40049044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 馨介 群馬大学, 医学部, 講師 (60222139)
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Keywords | AMPA / グルタミン酸受容体 / GluR2 / mRNA / RT-PCR / ホールセルパッチクランプ / 海馬スライス / ニューロン |
Research Abstract |
AMPA型グルタミン酸受容体サブユニットmRNAの絶対量を求めるために、AMPA型受容体遺伝子GluR2に点変異を導入し、天然型のもつBsp1286I制限酵素部位を潰し、新たにStuIによって切断される部位を導入したR2(B/S)プラスミドを作成した。ラット脳のRNAにin vitro合成した既知量のR2(B/S)のcRNAを加えてRTを行い、^<32>P標識されたプライマーを用いてPCRを行い、Bsp1286IおよびStuIによって切断される成分をBAS2000を用いて解析した。その結果、ラット前脳total RNA 1ng中に1x10^5分子のGluR2mRNAが存在することがわかった。次に、単一ニューロンに発現しているAMPA受容体mRNAの定量化を試みた。ラット急性海馬スライス標本の小型の介在ニューロンにホールセルパッチクランプ記録を行い、mRNAを含む細胞質を回収し、GluR1-4の4種類を等しい効率で増幅するプライマーを用いてRT-PCRを行った。、GluR1-4のそれぞれを特異的に切断する酵素を用いて消化し、それぞれのサブユニットmRNA量の相対比を解析したところ、サブユニットの欠落がGluR1-4の全てのサブユニットにおいて起こった。そこで、in vitro合成したGluR1-4cRNAを等量ずつ混合し、希釈してRT-PCRを行ったところ、それぞれが100分子以上存在する場合には、サブユニットの欠落は起こらなかったが、10分子のレンジではサブユニットの種類によらず偶発的に起こった。この結果はパッチクランプRT-PCR法で回収される単一ニューロンのmRNAの量は少なく、おそらく10分子前後しか回収されていないことを示唆する。この量は、RT-PCR法による定量化の対象外であり、現在、細胞からmRNAを高い収率で回収する方法を試験中である。
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[Publications] Bruno Cauli: "Molecular and physiological diversity of cortical nonpyramidal cells" Journal of Neuroscience. 印刷中 (1997)
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[Publications] 都築馨介: "分担執筆:パッチクランプと単一細胞RT-PCR法" パッチクランプ実験技術法(岡田泰伸編)吉岡書店, 執筆ページ数6ページ (1996)
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[Publications] 都築馨介: "分担執筆:パッチクランプRT-PCR法" 神経生物学のための遺伝子導入発現研究法(吉川和明編)シュプリンガーフェアラーク東京, 執筆ページ数14ページ (1997)