1996 Fiscal Year Annual Research Report
ネフローゼ疾患モデルマウス(ICGN系)の開発と腎炎発症機序の解明
Project/Area Number |
07558243
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Section | 試験 |
Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
浅野 敏彦 国立予防衛生研究所, 動物管理室, 室長 (60100062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辰巳 治之 札幌医科大学, 教授 (90171719)
川口 洋 東京女子医科大学, 腎臓病総合医療センター, 講師 (40147385)
とち丸 博幸 北海道大学, 医学部, 助手 (80237099)
笠井 憲雪 東北大学, 医学部, 教授 (60001947)
黒澤 努 大阪大学, 医学部, 助教授 (60129997)
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Keywords | 卵巣移植 / ICGNマウス / ネフローゼ / 肝細胞増殖因子 / 腎臓 / 糖鎖 / レクチン組織化学 / CBM |
Research Abstract |
ICGNマウス安定供給のために卵巣移植技術の応用を試みた。産仔の確認のためICGNと毛色の異なるレシピエントマウスにICGNマウスの卵巣を移植し,交配率と産仔数を検討した。交配率は100%であったが,産仔は得られなかった。今回はMHCを無視して移植実験を行ったが、交配率が100%あったことから,移植卵巣は生着していることが示唆された。次回はMHCが同じで毛色の異なる系統を用いて実験を行う予定である(笠井)。また、ICGN腎臓をレクチン組織化学的および電顕により観察した結果、病態の進行に伴って特異的に糖鎖分布が変化することが判った(小倉)。一方,電顕的にはICGNマウスのGBMではcapillary-loop stage後期より構造的および機能的な異常が認められた(栃丸)。また、ICGNマウスでは糸球体のみでなく、尿細管の異常も病態の進行とともに観察された(小倉、黒沢)。一方、ICGNマウスに於けるネフローゼ治療の試みとして,肝細胞増殖因子(HGF)を投与したところ、顕著な治療効果が認められた(黒沢)。ICGNマウスのネフローゼ発症に関与する遺伝子は一つであるのか、複数であるのかを確認するために尿中に分泌されるアルブミンを指標とした交配実験を行った。アルブミン分泌に関しては,劣性遺伝子に支配されていることが判明したが、ICGNに典型的な病態の発現は認められなかった。従って、ICGN病態の発現には複数の遺伝子が関与していることが示唆された(浅野)。また、コンピュータを用いた画像解析システムとしてICGNマウスの腎病変の立体再構築システムを開発しインターネットでの利用を可能にした(辰巳)。
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[Publications] Ogura,A.,et al: "Mouse oocytes injected with cryopreserved round spermatids can develop into normal offspring." J.Assist.Reprod.Genet.13. 431-434 (1996)
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[Publications] Ogura,A.,et al: "Preimplantation embryo development in mastomys (Praomys coucha) in vivo and in vitro." J.Reprod.Dev.,. (印刷中). (1997)
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[Publications] Ogura,A.,et al: "Cryopreservation of mammalian spermatids." J.Reprod.Dev. (印刷中). (1997)
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[Publications] 小倉淳郎: "特集:小児疾患研究におけるモデル動物、ネフローゼマウス." 小児外科. (印刷中). (1997)
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[Publications] 辰巳治之.他: "分散処理を用いた統合化三次元再構築システムの開発およびその応用." 第16回医療情報学連合大会論文集. 350-351 (1996)
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[Publications] 辰巳治之,中村正弘.: "「オンライン教科書」試作への道." 大阪大学大型計算機センターニュース. Vol.26 No.2. 28-35 (1996)
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[Publications] 中村正弘 辰巳治之.: "組織学ホームページ-インターネットと電子教科書." 医学のあゆみ. 180. 129-133 (1997)
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[Publications] 辰巳治之.: "解剖学ルネッサンスの論理と技法:自然科学・学問の再出発としての情報科学と解剖学ルネッサンス" 新医療. 2月号. 67-71 (1997)
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[Publications] 岳秉飛: "ネフローゼマウス(ICGN系統)におけるネフローゼ症候群の進行に及ぼす食事蛋白の影響" 大阪大学医学雑誌. 49. 49-56 (1997)
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[Publications] Kasai,N.et al: "Visualization of yellowish-orange lum inescens from cuprousm etallothioneins in liver of Long-Evans Cinnam on rat." Biochim.Biophys.Acta.1289. 150-158 (1996)