1997 Fiscal Year Annual Research Report
ネフローゼ症候モデルマウス(ICGN)の開発と腎炎発症機序の解明
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07558243
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Research Institution | NATIONAL INSTITUTE OF INFECTIOUS DISEASES. |
Principal Investigator |
浅野 敏彦 国立感染症研究所, 動物管理室, 室長 (60100062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 淳郎 国立感染症研究所, 獣医科学部, 主任研究官 (20194524)
とち丸 博幸 北海道大学, 医学部, 助手 (80237099)
黒澤 努 大阪大学, 医学部・付属実験動物施設, 助教授 (60129997)
辰巳 治之 札幌医科大学, 教授 (90171719)
笠井 憲雪 東北大学, 医学部・付属実験動物施設, 教授 (60001947)
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Keywords | モデルマウス / ICGN / ネフローゼ / 糸球体基底膜 / ラミニン / レクチン / 卵巣移植 / 慢性腎不全 |
Research Abstract |
ICGNマウスの腎炎発症機序の解明と繁殖方法の改良に取り組んだ。発症機序の解明には主として、形態学的手法を用い、繁殖方法の改良には卵巣移植法を用いた。 発症機序の解明:生後6-9日頃、形態的に正常な糸球体基底膜(GBM)が形成された直後、GBMの上皮側から基底膜物質(特にラミニン)の過剰な生産が認められ、ついで上皮細胞足突起が消失する。また、IV型コラーゲンがGBMに顕著に蓄積する。これらのことから、ICGNの病態はGBMの成分の異常によるものと考えられる。特に、ラミニンに関しては、未熟型から成熟型への置換が行われておらず、これが選択的透過性が完成しない原因の一つであろうと考えられた。GBM陰性荷電の動態を調べたところ、ICGNマウスでは分布に乱れが観察され、charge barrierの異常も選択的透過性に関与していることが考えられる。さらに、レクチン組織化学的観察を行ったところ、BSL-Iとs-WAGがGBMに特異的な染色パターンを示した。ICGNマウスの腎臓は、特異的な糖鎖分布を示し、かつ病態の進行によって変化が生じることを明らかにした。ネフローゼの診断に応用できる可能性が示唆された。また、このマウスはネフローゼに続発する糸球体硬化症及び尿細管間質性病変に一致して、腎機能低下が進行することから、慢性腎不全のよいモデルとなることも示唆された。また、サイトカイン(PDGFとTGF-β)が慢性腎不全の進行に関与していること可能性が示唆された。 繁殖方法の改良:ICGNを始め多くのヒト疾患モデル動物には繁殖困難なものが多く、その利用に制限を加えている。従って、ICGNマウスのもと系統であるICRに、ICGNの卵巣を移植しICGN雄と交配させることにより、産仔が得られるかどうかを試みた。まだ、改良する余地はあるがとりあえずICGNホモの産仔を得ることができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] O.Mizuno,S.他4名: "Diffuse Glomerulosclerosis without Tubular Injury Does not Manifest Renal Dysfunction in Nephrotic Mice" Exp.Nephl.5-. 498-507 (1997)
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[Publications] O.Mizuno,S.他5名: "ACE inhibitor Suppresses Tubular Expression of PDGF and Attenuates Progression of Tubulo-interstitial Fibrosisi in a Nephrotic Mouse Model.In press" Nephron. 548. (1998)
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[Publications] O.Mizuno,S.他6名: "Hepatocyte Growth Factor Prevents Renal Fibrosis and Dysfunction in a Mouse Model of Chronic Renal Disease." J.Clin.Invest.(1998)
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[Publications] O.小倉淳郎: "小児疾患研究におけるモデルマウス、ネフローゼマウス" 小児外科. 29. 239-243 (1997)
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[Publications] O.小倉淳郎, 他4名: "「疾患モデル動物」遺伝性ネフローゼ(ICGNマウス)" 病理と臨床. 16(印刷中).
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[Publications] O.大川洋平, 他3名: "形態学的研究用の統合化3次元再構築システムの開発" Medical Imaging Technology. 14. 124-133 (1996)