1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610006
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
眞方 忠道 神戸大学, 文学部, 教授 (20006555)
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Keywords | anamnesis / aisthesis / tithenai ta phainomena / episteme / phronesis |
Research Abstract |
1.『メノン』(82b-85b)で幾何学を知らない少年相手にソクラテスの行なう実験は、何を意図しているのか。例えばVlastosは推論規則の先天性を示すことにあるとする。其他、幾何学等先天的知識の存在を示そうとするなど、アプリオリな認識の可能性を実証しようとしているとする解釈が大勢を占めている。これに対して、この実験は、感覚経験を通じて、次第にアプリオリな認識が目覚めさせられてくるその過程を示すものであることを分析した。 『パイドン』(75a)のアナムネ-シスに於ける感覚の位置づけについて、諸家の解釈を整理し、特にBeelu-Addoの、感覚経験不可欠説の解釈の妥当性を吟味した。 『カルミデス』篇の構成を分析し、アリストテレスのtithenai ta phainomenaの方法に通じる探究方法がとられていることを明らかにし、プラトン哲学における感覚経験の果す役割に側面から光をあてた。
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