1996 Fiscal Year Annual Research Report
近代・現代日本文化における「キッチュ」-可愛らしさの美学
Project/Area Number |
07610051
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
BERNDT J. 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (00241159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GRAWE GUDRUM 立命館大学, 経済学部, 助教授 (40261044)
野口 MARY 立命館大学, 法学部, 助教授 (40247804)
山根 宏 立命館大学, 経営学部, 教授 (50036597)
仲間 裕子 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (70268150)
山下 高行 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (00200684)
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Keywords | キッチュ / 芸術文化 / 女性文化 / 大衆文化 / 現代日本 / 美術 / 可愛い |
Research Abstract |
1995年度の研究活動を踏まえ、今年度は、『研究成果報告書』の作成及び『立命館言語文化研究』特集(9巻1号)への執筆を念頭にいれ、各研究分担者がその個別課題についての研究を進めることを重点とした。研究会では、現代日本文化において「可愛らしさ」がどのような役割を果たすか、又、この「可愛らしさ」がどのような意味でキッチュとして捉えられるかという究明を深めるために、表現文化を手がかりに可愛らしさの構造を分析すると同時に、近代国民国家との関係で形成される文化的アイデンティティとその現代における相対化並びに、ジェンダーとの関係で構築される性的役割とその「可愛らしさ」による固定化又は希薄化という観点のもとで「キッチュ」の問題を追求した。さらに、本研究の比較文化論的性格を重視しながら、外国人研究者の協力を得て、日本における可愛らしさの文化的特殊性だけでなく、その外国と類似・共通する側面をも取り上げた。 具体的には、下記のテーマについての論文が作成された。 1、可愛らしさと母親らしさの間 -「可愛・い」の語源と現代のファッション雑誌における「可愛い」の使い方(グドゥルン・グレーヴェ) 2、女性と可愛い小道具 -日米意識調査による比較文化論的考察(メアリ野口) 3、リンゴ村が消えるまで -昭和20年〜40年の歌謡曲に見る戦後日本(山根宏) 4、ポップ、キッチュ、アート -美術とマンガを中心に(ジャクリーヌ・ベルント) 5、キッチュとしての国際化とテーマパーク(山下高行) 6、帝冠様式と美術館(研究協力者 長田謙一) 7、「ハイジ」の日本性 -スイス人として文化的アイデンティティの表象を問う(研究協力者 クリストフ・ランゲマン) 8、日本の広告とコマーシャルにおける可愛らしさ(研究協力者 アンドレアス・リ-スランド)
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