1995 Fiscal Year Annual Research Report
人間の随伴性判断におけるセルウエイトの影響に関する研究
Project/Area Number |
07610064
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
片桐 雅義 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (60012473)
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Keywords | 随伴性判断 / 学習 / 条件づけ |
Research Abstract |
人間の随伴性判断におけるセルウエイトの影響を検討する実験を行った。すなわち,事象Xと事象Yの生起の関係は2×2の表によって表されるが、Xが生じYが生じたという情報のセルをa,Xが生じYが生じなかったという情報のセルをb,Xが生じないときにYが生じたという情報のセルをc,Xが生じないときにYが生じなかったという情報のセルをdと呼ぶこととし,それぞれのセルの頻度を操作することによって、情報の種類が判断に及ぼす影響を検討した。実験では、特に客観的随伴性が等しく,セル頻度が異なる場合の判断の過程を比較検討した。パーソナルコンピュータMacintosh上で,ハイパーカードによって4つのセルに相当する情報をランダム順に提示し,逐次随伴性の判断を行わせた。その結果客観的随伴性が等しくても,各セルの頻度が異なると随伴性の判断に違いが生ずることが示された。客観的随伴性が正の場合も負の場合も,その絶対値が大きいときにはセル頻度の影響は小さいが,客観的随伴性の絶対値が小さいときにはセル頻度の影響は大きくなる。これは,セルaの頻度またはセルdの頻度が極端に大きくなるためであると考えられる。随伴性判断の客観的随伴性からのずれを検討すると,セルaの頻度が判断に大きな影響を与えていることがわかった。 今後は,は客観的随伴性が0である条件に移行する際の判断について検討する計画である。客観的随伴性が0となるようなセル頻度の組み合わせは多数存在する。従って、ある客観的随伴性条件から客観的随伴性が0の条件に移行する場合,どのような組み合わせに移行するかによって,各セルについての変化の度合いが異なる。これを利用して各セルのウエイトについて検討する。
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