1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610087
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
亀谷 秀樹 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (20167349)
|
Keywords | 海馬 / GABA / 睡眠-覚醒リズム / HPLC / ポリグラフ / マイクロダイアリシス / ラット |
Research Abstract |
初年度においては、短時間の時間分解能をもつマイクロダイアリシス・サンプリングとポリグラフ記録をラットにおいて同時に行うシステムの確立を最初に試みた。皮質脳波記録用・ステンレスねじ電極、海馬脳波記録用・同心電極、眼球運動記録電極、筋電図記録電極を慢性的に埋め込んだラットをアクリルボックスで飼育し、自由行動下でラット前頭皮質、腹側海馬、線条件においてマイクロダイアリシス法により、サンプリングした。サンプリング時間は、120秒であった。予備実験では、睡眠-覚醒下におけるセロトニン、ドーパミンの定量を高感度HPLCによって行った。その結果、前頭皮質および海馬におけるセロトニン遊離量は覚醒>徐波睡眠>レム睡眠で変動していることが明らかになった。一方、線条体のドーパミン遊離量は覚醒>徐波睡眠=レム睡眠で変動し、セロトニンとは異なるパターンとなる結果が得られた(論文投稿準備中)。以上に結果から、脳内モノアミン系が睡眠-覚醒サイクルの発現に関与していること、さらにマイクロダイアリシス法が中枢神経系の生理活性物質の変動をモニターするのに有効な方法であることを確認することができた。15EA02:こうした結果に基づき、さらに腹側海馬のGABA遊離量が睡眠-覚醒サイクルに伴ってどのように変化するか、マイクロダイアリシス法およびHPLCによって検討を開始した。GABAはOPA反応に基づき、電気科学的に検出した。これまでのところ、5分以内のサンプリング時間で腹側海馬のGABAを検出できることを確認している。さらに時間分解能を向上させて睡眠-覚醒の各ステージにおけるGABA遊離量の変動をあきらかにすべく、現在HPLCシステムの感度の調整を行っているところである。モノアミン同様、120秒程度の時間分解能が達成され次第、睡眠-覚醒サイクルにともなう海馬GABAの変動を、とくに海馬シ-タ波との関連を中心に検討を加えていきたい。
|