1995 Fiscal Year Annual Research Report
ラットの放射状迷路における数的弁別及びチャンキングに関する認知的研究
Project/Area Number |
07610092
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Research Institution | Tokai Women's University |
Principal Investigator |
矢澤 久史 東海女子大学, 文学部, 教授 (20182313)
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Keywords | 数的弁別 / ラット / 放射状迷路 / チャンキング / 認知 |
Research Abstract |
1.本研究は、放射状迷路においてラットがどのような順序で数的項目(報酬用ペレット数)を選択していくかを調べることによって、同時に提示された項目をラットがどのようにチャンキングするかを検討することを目的とした。 2.実験では八方向放射状迷路の4つのアームを使用し(十字型迷路)、数的項目としての報酬用ペレット数は14個、7個、3個、1個の4種類を用いた。12日間の実験順化の後、固定群、変動群の2群に対し1日2試行の訓練が120日にわたり行われた(計240試行)。 3.固定群では14、7、3、1ペレットをそれぞれ置くアームはすべての試行で固定されていた。変動群では14ペレットと3ペレットを置くアームは固定されていたが、毎日の第1試行で7ペレットを置いたアームには第2試行では1ペレットを置き、第1試行で1ペレットを置いたアームには第2試行では7ペレットを置くというように、第1試行と第2試行では7ペレットと1ペレットの位置が逆になっていた。 4.実験の結果、固定群では14-7-3-1というようにペレット数の多い順にアームを選択したラットは2匹だけであり、2匹を含めて10匹中9匹のラットは順々に隣のアームを選択していた。変動群では第1試行、第2試行とも14-7-3-1の順序でアームを選択したラットは1匹だけであり、この1匹を含め10匹中8匹は順々に隣のアームを選択していた。 5.以上のように、ペレット数の多い順に選択していくよりも、順々に隣のアームを選択していたことから、ラットがペレット数に関して数的な弁別をしていることを確証するような結果は得られなかった。
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