1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610121
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
速水 敏彦 名古屋大学, 教育学部, 教授 (20116172)
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Keywords | 外発的動機づけ / 内発的動機づけ / 内面化 |
Research Abstract |
従来、内発的動機づけと外発的動機づけは明確に区分されるものとみなされてきた。しかし、本研究では、まず第一に、それが不連続というよりむしろ連続的な概念ではないかという立場から、より外発的なものから順に外的、取り入れ、同一化、内発の4つの動機づけを想定し、それらを測定する尺度を構成し、中学生に実施した。隣接する動機づけ間の相関が最も高く、概念的に離れるほど両者の相関は負になることから連続的といえることを実証した。第二にそのような連続的な動機づけ概念の妥当性をみるために、各動機づけ得点と授業への参加度や成績との関係を検討した。第三に内面化を促進する要因に着目し、教師の児童・生徒への働きかけとして理由づけ、承認、自律支援、親密性をとりあげた。児童・生徒が認知するそれらと先の4つの動機づけとの関係を検討したところ、それらはすべて、同一化動機づけや内発的動機づけと正の関係を、外的動機づけと負の関係を示し、内面化を促進するものであると考えられた。さらに、第四の研究は内面化を促進する要因として情意的なものでなく、認知的なものをとりあげた研究である。より具体的には附属中・高校生を対象としたもので、人間総合科と呼ばれる自己学習力をつけさせることをねらいとした学習によってどれほど動機づけの内面化が促進されるのかを2時点でデータをとることによって検討しようとするもので、現在進行中である。人間総合科の実施によってその教科に対する動機づけの質だけでなく、他の教科に対する動機づけの質が内発的な方向に変化することが期待される。
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Research Products
(1 results)