1995 Fiscal Year Annual Research Report
リスク認知の社会心理学的規定因に関する研究:社会的信頼感・社会的価値観との相関構造
Project/Area Number |
07610151
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyo Eiwa University |
Principal Investigator |
岡本 浩一 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 助教授 (60177087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉森 伸吉 東京家政大学, 心理教育学科, 専任講師 (60266541)
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Keywords | リスク認知 / 価値観 / 政治的態度 / 権威主義的能度 / 性差 |
Research Abstract |
大学生サンプルとして、社会的信頼感、社会的価値観、政治的態度、リスク認知を測定するための予備調査を実施した。社会的価値観については、当初予測した因子構造がだいたい確認された。政治的態度のうち、進歩性-保守性については、当初予測の単純構造が若干疑われる相関構造がみられた。社会的信頼感は、尺度の2次元性(能力と倫理性)はなく、社会機関による相関のクラスターが見られた。リスク認知との相関は、性別、個人主義的態度、平等主義的態度、神秘的信念傾向の相関が高かった。リスク認知は、事故リスクと環境リスクに関する認知に分かれ、平等主義的態度と相関するのは環境リスク項目が多く、それ以外の態度と相関するのは事故リスク項目が多い形におおむね相関が分かれていた。また、従来の知見通り、性別の効果が大きく、女性のリスク認知・リスク回避傾向が男性より有意に大きいことが確認された。以上の分析結果により、平成8年度の本調査のための以下の条件が整った。 (1)それぞれの尺度項目の最終的構成案ができた。 (2)研究の仮説に大きな変更をする必要がない。 (3)それぞれの尺度や仮説に関連する理論的文脈が文献的に整理できた。 この予備研究の成果を得て質問紙の修正を行い、平成8年度には成人を含む一般サンプルに対象者を拡げた本調査を実施することができる。、
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