1995 Fiscal Year Annual Research Report
サポート介入による個人の対処行動の変容過程に関する実践的研究
Project/Area Number |
07610157
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
松崎 学 山形大学, 教育学部, 助教授 (20132516)
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Keywords | ソーシャル・サポート / ハ-ディネス / 認知的評価 / 対処行動 / 合宿 / 児童 / 子どもへの介入 / 親への介入 |
Research Abstract |
新聞で募集し、抽選で20名に絞った小学生とともに、サポ-ティヴな介入を行うように特別に訓練された学生スタッフが、休校になっている分校を借りて1週間の合宿生活を行った。不登校など、いわゆる不適応の問題を抱えている児童も含まれていたが、不登校児の一人は辞退した。事前の関係づくりが求められるようである。 それ以外のケースとしては、「自分には友達がいない」という友人関係の問題を持っていた児童の一人Y子(小6)は、合宿を機会に自分を表現することが家でできるようになり、家での親の関わりの変化にも助けられて学校でも自分を出すことができるようになるとともに、"人間の友達"ができることとなった。ただ、そうやって自分を出したことが12月にはちょっとしたトラブルを招き、2日間登校しないことも生じた。 また、友人の要求に屈してしまい、友人とのつきあり方に悩んでいたY(小4)は、合宿をきっかけに少しずつ変化を見せ、12月には、担任に「(お母さんに頼っていたが)今では、勉強のことも友達とのことも自分で考えて自分で決めることができるようになったのが嬉しい」と話すまでになった。 さらに、友人とのけんかが絶えないというY太(小4)は、合宿中に険しかった表情が軟らかくなるなどの変化が見られたが、合宿後には特定の相手だけのけんかで済むようになり、かつ、兄弟間の争い事も少なくなったという母親からの報告を受けている。 一方、母親の話では学習障害の可能性があるという不登校気味のS郎(小4)は、合宿後は毎日登校するようになっていたが、12月頃から行ったり行かなかったりしているという。人との関わりについてはより積極的になったとの報告を母親から受けているが、学業の面での悩みに対しては難しい問題を抱えていると言えよう。
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