1996 Fiscal Year Annual Research Report
新宗教教団の形成過程と地域社会変動 -天照教を事例に-
Project/Area Number |
07610161
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
櫻井 義秀 北海道大学, 文学部, 助教授 (50196135)
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Keywords | 新宗教教団 / オウム真教 / マインド・コントロール / 天照教 / 天地正教 / 統一教会 |
Research Abstract |
本研究は、新宗教教団の形成史を地域社会の変動との連関において明らかにし、信者の人生の中に刻まれた社会史としての教団形成の過程を生活史研究のアプローチを用いて描き出そうとするのものである。研究対象として、当初、北海道室蘭市に本部神殿を有し、胆振管内市町村に支部42箇所、信者1万人弱の規模を持つ宗教法人天照教を研究対象に設定した。調査内容を挙げれば、1)教団史、2)教団組織、3)教祖・前管長の教え、4)儀礼の理解、5)室蘭の地域研究であり、教祖・神官・教会長・古参信者などの教団関係者への聞き取り、教団刊行の書籍、会報等から資料としてまとめた。 次に、帯広市に本部を持つ天地正教を取り上げ、教祖、教団組織の形成史を教団刊行物、信者への聞き取りから資料化した。なお、同教団は平成4年より十勝清水町に弥勒の郷として、教団宿泊施設を建築計画中であったが、町民の反対するところとなり、平成8年に町議会における建設中止を求める陳情採択がなされる経緯を地元新聞社、反対運動本部への聞き取りから資料化した。同教団が開催した弥勒祭、浄化祈願祭に参与観察を行い、現代に下生した弥勒として、統一教会の文鮮明氏を迎え入れる宣言を2代目教母が行ったことを確認した。 また、オウム真理教自験を契機とする新宗教と現代社会をめぐる論孝を「櫻井義秀「オウム真理教現象の記述をめぐる一考察-マインド・コントロール言説の批判的検討-」『現代社会学研究』第9号 pp.74・101 1996年」に発表した。なお、本研究成果は「櫻井義秀編『現代宗教への視角』文部省科学研究費研究報告、1997年」として、上記、2教団の事例を含む新宗教教団、宗教意識調査のモノグラフ計6点を収めている。
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