1995 Fiscal Year Annual Research Report
環境変動に伴う造船重工業の組織構造・組織文化に関する時系列的研究
Project/Area Number |
07610199
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
小林 幸一郎 東洋大学, 社会学部, 教授 (10057995)
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Keywords | 造船・重工企業 / 組織構造 / 組織文化 |
Research Abstract |
1980年以降、重工6社の販売実績は、M重工のか占が目立つが、景気変動を反映して、1982-86年に全社減少、その後は各社間の差異を顕著にしている。特に船舶は減少、航空機は増加傾向にあるが、化学プラントは変動に大巾に左右されている。従業員数は1985年以降減少の傾向にあり、特に1982-86年に大巾な減少を見せている。リストラと重点化の跡が事業所・工場に明確に見られる。組織機構は基本的には事業本部制を強化し、各社とも大巾な人事制度改革を行っており、従来以上に関連会社を含めての事業展開を進めている。その中でも開発、エンジニアリング、生産技術の強化、海外調達の促進、生産工程の合理化が目立つ。H造船の分社化は今までの通念を破るものであった。前回調査に比較して、事業戦略の強化と企業体質・意識の変革を連動させる企業が多い。バブル崩壊後のグローバルな市場構造、および知識集約型産業構造と多元的価値を包含する社会構造への認知装置として企業組織をとらえ、グローバルなシステム観点から戦略思考・決定・動員を試みようとしている。異種企業との連けいを含めて企業間ネットワークを結び、資源動員を計る傾向が強い。しかし、そのような思考と意識に抵抗する、特に旧体質を無意識的に再生産するハビトユスを変革するためには、相当のエネルギーを必要とするようで、大きな課題となっている。さらに高齢化と個人化の問題をも含めて、今後の面接調査で深めていきたい。
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