1995 Fiscal Year Annual Research Report
神社整理後における「神社復祀」に関する民俗学的調査研究
Project/Area Number |
07610323
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Cultural History |
Principal Investigator |
鈴木 通大 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 主任学芸員 (40124515)
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Keywords | 神社復祀 / 神社合祀 / 神社 / 遙拝所 / 祟り |
Research Abstract |
平成7年度は、以下のような研究成果をあげることができた。 1、「神社復祀」および「神社合祀」に関する論文の文献目録を作成し、現在までに約150件をデータベース化した。そのデータ項目としては、整理番号、編著者名、単行本名(論文名)、発行所(掲載機関誌名、巻・号数)、ページ数、発行年月のほかに、今回の研究に必要な検索項目として地域名、復祀・合祀の区別コードを設定した。 2、既刊の「民俗調査報告書」、「民俗誌」、「郷土誌」などの文献を渉猟し、「神社復祀」に関する具体的な事例を約2000件ほど、データベース化することができた。そのデータ項目として、整理番号、地域名、合祀された時期、合祀された神社名、合祀以前の祭日、合祀した当時の様相、復祀された神社名、復祀された時期、復祀の要因、復祀後の祭日、タイプコードを設定し、検索をはじめ、比較分析およびクロス集計に活用している。 3、神社合祀政策が強力に推進された三重県(度会群度会町)とそうではなかった神奈川県(平塚市土屋)に調査地を設定して、予備調査を実施した。前者では、神社のない地域における、「人の一生」、「年中行事」などを通してみた信仰生活の実態、後者では、「神社復祀」後の実態について、明らかにした。その結果の一例として、神社のない地域では、神社の跡地に遙拝所もしくは記念碑を設けているが、地域住民がすでにかつて鎮座していた神社(氏神)の存在を忘却していること、一方、復祀を実施した地域では、合祀された明治の頃から、氏神に対する思慕の念が持続していたことが明らかになった。 平成8年度は、神社復祀の補充調査等を実施しながら、集積されたデータの比較分析と統合を試みたいと考えている。その研究成果を、11月に日本民俗学会で研究発表した後、論文等にまとめる予定である。
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