1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610363
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
馬渕 貞利 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40107149)
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Keywords | 移住規則 / 漁業移民 / 移住民募集 / 移住部落 / 移住契約書 / 移民心理 / 移民のナショナリティ / 植民地化 |
Research Abstract |
朝鮮の植民地化過程と日本による植民地統治期において、日本人がどの程度朝鮮に移住し、定住したか、そしてそのような日本人には意識構造の面でどのような特徴があるか、という点を解明しようとする本研究は、朝鮮への移住者が目立って多かった瀬戸内沿岸地域の漁村や農村に照準をあて、そこの住民たちの朝鮮移住の目的や朝鮮および朝鮮人に対する意識構造を探ることを第一の作業課題とした。そのため、平成8年3月初旬に現地調査を行ない、移民と関係する資料蒐集に努めるとともに、人の移動状況の確認作業を進めている。日本人の意識構造(特にその朝鮮観・朝鮮人観)を把握するための聞き取り調査は時間の関係で十分に行いえていないが移民の多い地域に特に顕著な朝鮮への関心があったとは認められない。むしろ一般的には瀬戸内沿岸漁業の不振と関係し、新しい漁場を求めて朝鮮に移住しようとしたものらしく、当初は朝鮮漁民との軋轢等を極力避ける必要から朝鮮人に対する宥和的態度等が配慮されたが、植民地化が確定的になるにしたがって朝鮮人に対する高圧的姿勢が一般に強まったように判断される。ただし、こうした判断はさらに精査した上で一般化できるかどうか考えたい。
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