1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07620012
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences Junior College |
Principal Investigator |
林 由紀子 愛知女子短期大学, その他部局等, 教授 (20271471)
|
Keywords | 服忌令 / 穢 / 礼 / 幕播制国家 / 朝幕関係 / 新井白石 / 金沢幕府 / 親族 |
Research Abstract |
(1)「江戸幕府服忌令の意義と特質」(早稲田大学出版部刊行シリーズ比較家族『死者祭祀と家族』に掲載予定)を執筆。これは幕播制国家において服忌令が、どのような意義ないし役割を持ったかを中心に、幕府服忌令制定に至る歴史や服忌令の内容的特徴にも触れた、私の服忌令研究の核心となる論文である。なお、昨年執筆した「江戸幕府服忌令の特質-新井白石と林信篤の論争を手がかりとして-」も、本年度公刊された。 (2)「金沢播の服忌制度-幕府法とのかかわりにおいて-」(清文堂出版刊林董-先生古稀記念論文集『近世近代の法と社会』に掲載予定)および「金沢播の服忌書について」を執筆。幕府服忌令は、東照大権限と将軍を頂点とする穢のヒエラルヒ-を確立し、これによって幕播制国家秩序を確立強化することをめざすものであったと考えられるが、これを証明するために播の服忌制度を検討したのが、この二稿である。これによって、金沢播では、金沢東照宮および播主を頂点に置く穢のヒエラルヒ-が存在したことを明らかにすることができただけでなく、貞亨元年幕府服忌令制定公布前に、幕府でも金沢播でも、大僧正天海考定とされる服忌令が行われていたことがわかし、通説を訂正することができた。本稿の内容は法制史学会近畿部会(平成8年12月於同志社大学)で報告した。 (3)以上の緒論文と従来発表していた服忌令関係緒論文を併せ、平成10年2月頃、著書『近世服忌令の研究-幕播制国家の喪と穢-』を、清文堂出版(大阪)から刊行の予定。 (4)「服忌をめぐる播法雑考」と題して播法研究会(平成8年10月於同志社大学)で報告。これは、同研究会が行った彦根城博物館および滋賀大学経済学部付属史料館での史料調査に参加して得た服忌令関係史料を紹介し、諸播の服忌について述べたものである。 (5)金沢市立玉川図書館、宮内庁書陵部、国会図書館、内閣文庫などで史料調査を行った。
|
Research Products
(2 results)