1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07620030
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田邉 誠 広島大学, 法学部, 教授
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Keywords | 仲裁 / 仲裁人 |
Research Abstract |
「仲裁人の権限および責任」に関する研究として、わが国の事例および実務に関する分析、並びに、外国の事例および実務に関する分析を行った。 わが国では、仲裁の実例がなく、仲裁人の権限・責任に関する文献も少ないが、外国では、多くの実例があり、仲裁人の権限・責任に関する研究も、いわゆる専門家の権限・責任に関する研究の一分野として行われている。そこで、本年度の研究としては、特に、議論が盛んな米国・ドイツを中心として、外国の理論および実務の状況を概観した。 ただ、研究の過程で、仲裁の主観的・客観的範囲という大きな問題が浮かび上がった。そこで、とりあえず仲裁適格という問題に関する検討を行い、その一部の成果を公表論文とした。本論文の結論は、仲裁の守備範囲に関するわが国の考え方に疑問を呈し、その拡大を提唱する内容となった。 現在は、この成果を前提として、仲裁人の権限・責任に関する研究のまとめを行いつつあるが、残念ながら本年度中には、その成果を公表することはできなかった。今後は、外国の状況に関する分析を補充しつつ、また、裁判官の権限・責任との比較という視野を含めて、仲裁人の権限・責任の明確化を志向する論文を可能な限り早期に公表する予定である。
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Research Products
(1 results)