1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07620044
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
脇田 滋 龍谷大学, 法学部, 教授 (50128691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 秀雄 大阪市立大学, 法学部, 教授 (50161534)
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Keywords | ホームヘルパー / 介護 / 労働 / 雇用 / 派遣 |
Research Abstract |
2年間にわたって在宅福祉を支えるホームヘルパーを中心に、(1)在宅福祉サービスをめぐる動向、(2)派遣型介護労働者の雇用をめぐる労働条件の実情把握、(3)比較法の視点から派遣型介護労働者をめぐる立法政策の課題を中心に研究を進めた。 (1)まず、ゴールドプランの実施のなかで各自治体ではホームヘルパーの数を増やしている。しかし、現実のホームヘルプサービスのレベルは必要(ニーズ)に比較して決定的に不足しており、財政的な考慮からサービスの量と質が規定されている。他方、介護保険法の提案など在宅福祉をめぐる動向との関係で今後のホームヘルプサービス供給の在り方は、国・自治体ともに明確な方向として定まっていない。むしろ、医療から介護への施策に重点が移されているなかで、医療サービスが現実に削減される面が強く現実のニーズとサービス供給の矛盾が大きくなっている。 (2)各自治体では直用公務員、社会福祉協議会・福祉公社職員だけでなく、登録型ホームヘルパーが中心となっている。その背景には、行政改革や国の財政難の状況からの福祉予算削減が決定的な意味を有している。しかし、登録型ホームヘルパーは法的な位置づけとしては労働者の扱いをされていない。労働省も指揮命令関係や労働時間管理を指標としているが、労働者扱いされている例は少ない。しかし逆に、就業規則の不整備などは登録ホームヘルパーの身分的不安定を意味している。今後の課題として労働法・社会保障法の適用と立法の整備が必要である(例えば、労災保険や雇用保険等の適用)。 (3)各国の状況は多様であるが、労働者の地位については同一労働同一待遇の原則が確立しており、ホームヘルパーも公務員、直用労働者、パートタイマー等での身分的な格差はなく、この点で日本との間に決定的な格差がある。
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Research Products
(1 results)