1995 Fiscal Year Annual Research Report
我が国繊維産業の構造的転換と北陸産地の進むべき方向
Project/Area Number |
07630053
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
丹野 平三郎 金沢工業大学, 工学部, 教授 (30064421)
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Keywords | 繊維産業 / 北陸産地 / 合繊原糸メーカー / 産業再編成 / クイック・レスポンス・システム / LPU(リンケージ・プロダクション・ユニット) / 国内におけるボ-ダレス化 / 複合織物 |
Research Abstract |
北陸産地をめぐる環境は厳しさを増している。驚異的な円高の進展とアジア諸国の急成長は、繊維品の我が国への輸入急増をもたらした。一方、我が国の繊維産業は、定番品分野の国際競争力を弱め、著しく輸出の減少を余儀なくされた。国際的なボ-ダレス化の進展の中で、我が国の合繊原糸メーカー及び商社は、適地生産、適地加工、適地購入、適地販売を目指して海外シフト戦略を展開している。合繊原糸メーカー間の競争力格差が拡大し、産業再編成が促進されるであろう。一方北陸産地にあっては、原糸メーカー、産元商社のリストラクションにより有力特定企業への選別発注による系列再編成が行われ、小・零細企業の転廃業が続出している。 超円高とアジア諸国からの激しい追い上げに加えて、繊維流通の業態改革(ロードサイドショップの普及、カテゴリーキラーの台頭、製販直結のSPAの進出等は国内繊維産業の国内におけるボ-ダレス化を促している。これまでの特定素材を主流とした織物産地は「繊維多様化・複合化」時代を迎え、産地間の競合と融合の交錯する複雑な様相を呈するようになってきている。北陸産地は産地内での複合織物の開発のみならず、繊維技術の複合化、インターネット化、クイック・レスポンスシステムの拡充、産地間のLPU(リンケージ・プロダクション・ユニット)等の新方向を目指して、自助努力により産地の再構築に取り組むべきである。
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