1996 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ統一後に利用可能となった旧東ドイツ公文書館の自動車産業史関連史料の研究
Project/Area Number |
07630071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
古川 澄明 山口大学, 経済学部, 教授 (10148992)
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Keywords | 自動車 / ドイツ自動車産業 / フォルクスワ-ゲン |
Research Abstract |
研究計画に従って、予定通り、平成8年度の研究を実施した。すなわち、 (1)研究計画における「資料収集」については、(1)ドイツ公文書館の一つ、Sachsisches Staatsarchiv Dresden(旧東ドイツ)から戦前・戦中期のVolkswagenwerk GmbHの軍用自動車開発に関する内部文書をマイクロフィルムの形で入手した。さらに(2)イギリスのImperial War Museum,Londonから、戦後Volkswagenwerk GmbHを占領管理下に置いたイギリス軍押収文書をコピーの形で、及び、当時イギリス政府が押収文書にもとづいて作成した数点の関係調査報告書のオリジナル(各残部数の内の1冊)を入手した。また(3)Archiv des Volkswagen-Museums(Volkswagen AG,Wolfsburg本社所在地にあって、同ミュージアム設立まで同社文書館が保存管理してきた膨大な企業内部文書が同ミュージアム文書館へ移転され、保管されている)から、本研究に関係する相当数の文書を入手した。(4)キ-ル大学や他の幾つかのドイツの大学図書館から戦前・戦中に公表された自動車産業発展史に関する図書・学位論文をマイクロフィルム(フィッシュ)の形で入手した。 (2)これまでに収集した史料(戦前・戦中期、戦後初期の各種内部文書、学位論文、図書等)を、マイクロ・フィルム(フィッシュ)の場合には現像を行い、今回の助成で購入したコンピュータを活用して、整理している途中である。さらに整理済みの史料を平成7年度の研究の延長線上で、引き続き戦前・戦中期のドイツ自動車産業での経営形態や生産システムの変化・発展を詳しく検討すると共に、とくに戦中期フォルクスワ-ゲン社の生産システムとアメリカ式量産システムの導入に関して検討した。この検討作業は、平成9年度でも続行し、その成果を期待している。
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