1996 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本における巨大鉱業の経営史的研究-三菱財閥形成史との関連において-
Project/Area Number |
07630115
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Research Institution | OTEMON GAKUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
畠山 秀樹 追手門学院大学, 経営学部, 教授 (40128343)
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Keywords | 銅市場 / 銅産業 / 総合型鉱業経営 / 電気精銅 / 買鉱製錬 / 財閥 / 三菱 / 大阪製煉所(三菱) |
Research Abstract |
近代日本の経済社会において鉱業部門(石炭、銅)が占めた特殊な歴史的役割については広く認識されているところであるが、その実証的歴史研究についていえば、史料的制約が強いために、大きく取り残されてきたといっても過言ではない。なかでも、三井とならぶ巨大鉱業でありながら、三菱の鉱業経営の史的研究は、最も遅れた領域をなしてきた。本研究は、この溢路を打開すべく、ケース・スタディとして三菱合資会社をとりあげて、第1次大戦期について解明したものである。研究は、1996年度経営史学会大会(第32回大会、横浜市立大学)において一部を発表するとともに、後掲論文としてとりまとめた。 その大要は、下記の通りである。 1.輸出市場の変化から三菱の売銅活動の特質を明らかにしようとした。中国、ロシア、イギリス向けの三菱銅の輸出量・価格を検討した。 2.三菱合資が大戦期に開設したロンドン支店報告を利用して、ここに形成された国際的ネットワークの機能を分析した。 3.三菱が大戦期に伸銅業に多角化した状況を、その製品レベルから検討を加えた。 4.三菱銅の国内市場について、大阪製煉所の積送先ならびに国内支店売約高を検討することにより、その分析を果たした。とりわけ、大戦期においては、伸銅企業への販路拡大が著しかったことが明らかにされた。 以上の分析は、主として当該期の三菱合資会社の内部史料に直接依拠して解明されたものである。
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Research Products
(2 results)